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元新聞記者も悩む、日本の新聞は生き残れるのか?

5/20(月) 12:13配信

Wedge

偽物動画には要注意

 同時に「ディープフェイク」と呼ばれる、意図をもってウソのニュースや動画を流す傾向が強まっているのも要注意だと警告している。特に大統領選挙に絡んで、わざとどちらかの陣営に不利な情報をまことしやかにSNSなどを使って拡散させるというやり方で、一見すると偽物か本物のニュースなのか分かりにくいという。日進月歩で進化しているIT技術を使えば、素人はすぐに騙されてしまう。このため、正確な報道を目指すメディアにとって、ますその情報が事実に基づくものなのかどうかを確認する必要があるようで、メディアの中には「ファクトチェック」なる組織を作っているところもあるという。

 日本でも話題提供になる偽物動画は時々お目にかかるが、大統領選挙といった一大政治イベント、日本でいえば総選挙や首相指名選挙などに絡んで、「ディープフェイク」が横行するのは、まだ想像しがたい。しかし、いずれは意図的な効果を狙った偽物動画がこうした重要なイベントを狙って登場することも予想されるだけに、要注意だ。それらしい動画を見ても慌てて信用せずに、本物か偽物かを慎重に見極める必要がある。

新聞部数が半減

 米国ではデジタル化に伴い新聞社数がこの10年間に激減、部数も大きく落ち込んだ。新聞の購読者数が1984年は6334万部あり、2007年までは5000万部を超えていたが、08年以降は大幅な減少となり17年には前年より11%減って3095万部になったと見積もられているという。

 米国の新聞は1980年代の最盛期と比べると30年弱で部数が半減したことになる。これに伴い新聞社で編集者や記者として働く人数が、2006年に7万4410人だったのが、毎年減り続けて、09年に6万770人になり、17年には3万9210人にまで減ったという。退職した記者の中には調査報道NPOなどに移って引き続きジャーナリズム活動を行っている元記者もいるようだが、やめた記者を吸収するだけの受け皿にはなっていないようだ。

 そうした中で、行き場を失った元記者などが集って全米各地で調査報道を専門に行う小世帯のNPO組織が立ち上がり、地元自治体などを監視する活動をしている。デジタル時代になってもジャーナリズム精神が息づいている米国ならではという印象を持った。

 しかもこうした組織を支援しようと多くの寄付が寄せられているという。日本にはまだこうした組織が立ち上がっているのは聞いたことがない。また、伝統的なメディアがこうした外部のNPOと協力して調査報道をしようという試みも注目される。

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最終更新:5/20(月) 12:13
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