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「幸せな結婚生活」の科学 研究者夫妻が導き出したシンプルな心的因子とは?

5/20(月) 19:51配信

ニューズウィーク日本版

<「この本は人間関係そのもののトリセツ」>

マドカさん:この本には人間が生きる上で不可欠な、コミュニケーションの大事なエッセンスが詰まっています。例えば私の娘は高校3年生ですが、この本から好きな人とのコミュニケーションだけではなく、大学での友人との付き合い方や、仕事における人間関係について学ぶことができると思います。この本は人間関係そのもののトリセツ(取扱説明書)ではないでしょうか。


また、1人で十分幸せな人にとっても、この本は存分に活用できると2人は胸を張る。


マドカさん:私自身、活躍している方を見ると「私もこうしなきゃ」と焦ったりして、自分を見失うことがあります。でも4つの因子や、夫から言われた「マドカらしくしていいんだよ」という言葉を意識することで、ありのままの自分に立ち戻ることができています。

誰しも失敗はしたくないですよね。ところが、うまくやりたいという意識が強くなると、緊張して結局失敗してしまう。そうすると自己嫌悪に陥り、ネガティブに支配されてしまうことがあります。でも「ありのままに!」の態度で伝えたいことを伝えていけば、絶対に「なんとかなる!」。4つの因子は自分を別の姿に変えてくれるものではなく、「ありのままに!」の姿に戻してくれるもの。ありのままの自分を肯定することは、すべての人に共通する大切なことです。


『ニコイチ幸福学』の表紙に描かれているリンゴは、愛と世界平和の象徴だという。左半分が自分、右半身が相手で、内側の種のような部分はそれぞれのエゴだ。

自分ばかりにとらわれていると、エゴがぶつかり合う。そこで、大切に思う領域を「自分のみ」から「相手」にまで広げてみる。さらには、相手を思うその気持ちを、家族を思う気持ち、世界中の人々を思う気持ちへとどんどん育んでいく。エゴ(利己)から、利他が成長していく。利己の種から外周が広がっていけば、いつしか世界平和だって叶うはずだと、隆司さんは考えている。


隆司さん:未熟な人は自分のことしか考えられませんが、大切にしたい人が現れると、その人の幸せも考えるようになります。さらに2人だけの世界から、子供や双方の家族、友人、同僚と、大切にしたい人とのつながりを広げていくと、視野が広がり、やがて知らない人の幸せにもつながっていきます。ニコイチ、つまり世界最小単位の人間関係が幸せなことは、世界平和実現の第一歩。そう、幸せな人とは世界を愛し、自分を愛している人のことを言うのです。


幸福学の目的は、人類皆の幸せを実現すること。そのための研究を続ける前野夫妻は、「あなた自身を愛し、あなたのパートナーを愛し、世界中の生きとし生けるものを愛してください」と説く。なぜなら、お金でもモノでも制度でもなく、愛することこそが幸せだから。ではどうすれば、誰もが惜しみない愛を生み出すことができるのか。その答えが、この本にあるのだ。

今井順梨

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最終更新:5/20(月) 19:51
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