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リクシル前社長・瀬戸氏はなぜ泣き寝入りせず、潮田氏と戦うのか

5/20(月) 6:00配信

文春オンライン

 住設機器大手のLIXILグループで混乱が続いている。

 始まりは、LIXILグループの前身会社の1社である旧トステム創業家出身の潮田洋一郎氏が昨秋、CEO(最高経営責任者)だった瀬戸欣哉氏を事実上解任したことだった。その経緯が不透明だとして英米の機関投資家などが反発、CEOに復帰した潮田洋一郎氏などの解任を求めた。

【写真】リクシル取締役 瀬戸欣哉氏

 声をあげた4社の機関投資家は、普段、投資先企業と敵対することはなく、話し合いを重視する投資スタンス。いわば「物言わぬ株主」だが、そうした穏健派のファンドが解任要求という穏やかではない行動に出たのは、LIXILグループのコーポレートガバナンスが健全性を欠いていると判断したためだ。

潮田氏は会社を実質的に支配

 潮田氏はLIXILグループ株を約3%しか保有していない少数株主。しかし指名委員会等設置会社であるLIXILグループの指名委員会や取締役会のメンバーを自身のシンパで固め、会社を実質的に支配している。

 機関投資家などは、潮田氏が経営路線を巡って対立関係にあった瀬戸氏を解任したのはその典型例と見た。一般投資家から巨額の資金を集め、株式投資などを通じて運用している立場として、コーポレートガバナンスが不健全な企業への投資を続けるわけにはいかず、潮田氏らを解任し、是正することを求めた。

 4月18日、潮田氏は記者会見を開き、5月20日に取締役を辞任、6月に開かれる株主総会をもってCEOも辞すると発表した。一見、機関投資家の要求を受け入れたように見えるが、記者会見で語った「アドバイザーをやってくれと言われれば考える」という発言が「なお社内に影響力を残そうとしているのではないか」という憶測を呼んだ。

「潮田色」は残るのか

 5月13日、LIXILグループは会社提案の取締役候補を発表した。「潮田色」は残るのかという観点からメンバーが注目されたが、発表内容は現在の取締役は全て退任し、新たに選んだ8人のうち7人は社外取締役で、潮田氏との面識はほとんどない顔ぶれだ。

 これで「院政は敷かない」というメッセージを出したように見えるが内実は違う。唯一の社内取締役候補である大坪一彦氏は潮田氏の子飼い。同日の記者会見では取締役で指名委員の菊地義信氏が、「新しいCEOは株主総会で選ばれた取締役が決めることと」と言いながらも大坪氏の実績を盛んに強調し、同氏のCEO就任を望んでいる姿勢を見せた。

 CEOを解任され、現在はLIXILグループ取締役という肩書きの瀬戸氏は、工具通販大手MonotaROを創業し、成功を収めた「プロ経営者」だ。2016年、潮田氏に招かれてLIXILグループ入りしたものの、2年余りでCEOのポストを追われた。

 プロ経営者であるならば別天地がある。実際、瀬戸氏の前のCEOだった藤森義明氏はLIXILグループ業績悪化の責任を取らされてCEOを退任、このほど東芝社外取締役のポストを得た。しかし瀬戸氏は4月5日、自身を含む8人をLIXILグループの取締役候補として提案、株主総会後にCEOとして復帰することに意欲を示している。

 瀬戸氏は泣き寝入りせず、なぜ戦うのか。 「文藝春秋」6月号 掲載の「リクシル前社長激白『私は創業家に屈しない』」で瀬戸氏はその理由をあますところなく語っている。ぜひお読みいただきたい。

秋場 大輔/文藝春秋 2019年6月号

最終更新:6/21(金) 6:03
文春オンライン

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