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民法と相続税法で要件が異なる⁉「法定相続人」の範囲と順位

5/20(月) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

相続放棄したほうが相続税負担が軽くなるケースも

上記の解説と矛盾しますが、相続放棄をすると圧倒的に相続税の負担を軽くすることができるケースがあります。このケースに該当していることがわかったら、3ヵ月以内に相続放棄をするか検討しなければいけないのですが、この論点を知らない税理士がほとんどなので、多くの人が見逃してしまいます。それでは、どのようなケースが相続放棄をすると相続税の負担を軽くできるでしょうか? 

正解は、上記のような第2順位の相続です。亡くなった人に子どもがいない場合には、法定相続人は父と母になります。この場合には、相続税の観点から相続放棄を検討するべきなのです。なぜかというと、独身の子どもが親より先に亡くなると、子どもの財産は親に相続されます。この相続されるタイミングにおいて、子どもが残した遺産に相続税が課税される可能性があります。

親は、相続税を支払って子どもの財産を相続するのですが、この親が亡くなってしまった時には、もう一度相続税を支払わないと、最終的に妹に財産を渡すことができないのです。兄の財産が妹に渡るためには、2回も相続税を払わないといけないことになります。さらに父と母が元々資産家だった場合には、子どもから相続した財産にまで、非常に高い税率で相続税が課税されてしまいます。

このような事態を避けるために、第2順位の相続のケースにおいては、父と母はあえて相続を放棄します。もし、父と母が相続を放棄した場合には、法定相続人は妹一人になります。兄から妹へ遺産が相続されることになり、このタイミングで相続税を払わなければいけません。しかし、兄の遺産は父と母に渡らなかったので、父と母が亡くなった時の相続税の負担は先ほどのケースよりも断然少なくなるはずです。

ちなみに、このケースにおいては、妹に対して課税される相続税は、父母の時と比べて1.2倍されます。この取扱いを相続税額の2割加算といいます。しかし、2割加算の取扱いを受けたとしても、両親に多額の資産がある場合などには、相続放棄をして代を飛ばしたほうが有利になります。

いずれにしても、相続が起きてから3ヵ月以内に検討しなければ父と母が相続することになるので、急がないといけません。

 まとめ 

法律上、遺産を相続できるのは、法定相続人という立場のある人に限定されます。遺言書を作れば、法定相続人でない人にも資産を残すことが可能ですが、遺留分という制度に気を付けるなど、注意点はたくさんあります。

まずは正しい知識をたくさん身につけることが大切です。

【動画/筆者が「法定相続人と法定相続分について」分かりやすく解説】



【動画/筆者が「相続放棄をすると相続税の節税になるケース」を分かりやすく解説】

橘 慶太

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最終更新:5/20(月) 8:00
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