ここから本文です

90年以上の日焼け止めの挑戦は、新たなステージへ

5/20(月) 6:00配信

JBpress

 資生堂が「イノベーション」を新たなグローバル戦略の旗印として掲げ、M&Aやベンチャー企業への投資、研究開発拠点の整備、最先端のテクノロジーを駆使した新しい価値を持つ商品の開発などに積極的に取り組んでいる。どのような成長ストーリーを描いているのか。

【写真】4月13日に本格始動した「資生堂グローバルイノベーションセンター」

■ 世界を相手に、資生堂が描く成長シナリオ

 資生堂は独自の研究開発部門を持ち、100年以上にわたり最先端の研究開発に取り組み続けてきた。国内外のテクノロジー系ベンチャー企業への積極的な投資やM&Aも行っている。

 グループの売上高は2017年に1兆50億円と、創業140年あまりで初めて1兆円を突破した。さらに、営業利益も過去最高となった。2020年の目標だった売上高1兆円は、3年前倒しで達成した。

 この勢いを維持しながら、次代に向けて、資生堂はどのような成長シナリオを描いているのか。その答えが中期経営計画に示されている。

 資生堂は2018年3月、同年からスタートする「新3カ年計画」(2018年~2020年)を発表した。この新計画は、2014年に策定した6年間の中長期戦略「VISION 2020」の後半3カ年にあたる。同社ではこの3カ年を「成長加速の新戦略」の実行期間と位置づけている。

 具体的に、新3カ年計画で取り組む重点戦略として、5つの重点戦略「Building for the Future」が策定されている。「1. ブランド・事業のさらなる『選択と集中』」「2. デジタライゼーションの加速・新事業開発」「3. イノベーションによる新価値創造」「4. 世界で勝つ、人材・組織の強化『PEOPLE FIRST』」「5. グローバル経営体制のさらなる進化」である。

 新3カ年計画の発表にあたり、代表取締役執行役員社長兼CEOの魚谷雅彦氏から「VISION 2020」が目指す姿として「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」というキーフレーズが紹介された。

 このビジョンを実現するための取り組みがすでに始まっている。2019年1月には、中国の上海に「中国事業創新投資室」を本社直轄組織として設立。中国現地のスタートアップ企業などとの戦略的協業を進め、中国の国内外での中国人消費者の動向を捉えた既存事業のイノベーション開発・実行と、化粧品領域および新規事業領域での事業開発を一層加速していくのが狙いだ。

 このほか、2019年4月には、中国ネット通販大手のアリババ(阿里巴巴集団)と戦略的な業務提携を結び、杭州市のアリババ本社の近隣に拠点も開設した。ビッグデータを活用し商品の共同開発などを進めていく予定だ。

■ イノベーションを生む研究開発拠点が本格稼働

 2019年4月13日には、横浜市のみなとみらい21地区に建設した新たな新研究開発拠点「資生堂グローバルイノベーションセンター(以下GIC・呼称「S/PARK エスパーク」)」を本格稼働させた。

 GICの建設費は400億円以上。欧州、米国、中国、シンガポールなど世界8カ所にある資生堂の研究開発拠点の中枢を担う施設で、国内外の最先端研究機関や異業種などから集約した多様な知見、情報、技術を融合させ、世界に向けて新しい価値を提供していくという。

 前述したように、資生堂では、新3カ年計画の重点戦略の1つに「イノベーションによる新価値創造」を掲げ、研究開発領域への投資も強化していく考えだ。2020年には売上高に占める研究開発費比率を3%(将来的には4%)に、研究所員数は1500名まで増やすという。GICの本格稼働もその一環だ。

1/2ページ

最終更新:5/20(月) 6:00
JBpress

記事提供社からのご案内(外部サイト)

JBpress Premiumは
日本の未来を創るビジネスリーダー
のための総合メディア
JBpressが提供する有料会員サービスです。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事