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「街」視点で考える湾岸タワマンに住む選択

5/20(月) 5:20配信

東洋経済オンライン

現在の東京に住むうえで人気となるのが、ステータス感のあるタワーマンション、もしくは活気あふれる下町などではないだろうか? 
高と低、対比されそうな街並みではあるが、実際、そこでの暮らしぶりは大きく異なる。そこで『東京の「観光地に住む」という選択が意外にいい理由』に続き、不動産にまつわるベストセラーを多く持つ牧野知弘氏に、住むとすればどちらがおすすめか、あらためて話を聞いた。

■なぜ東京にタワマンタウンができたのか

 江東区豊洲・東雲、中央区勝どき・晴海、港区芝浦などにそびえ建つ湾岸タワーマンション。建物からの眺望のよさ、共用部の充実した設備仕様、そしてなんといっても都心への近さを売り物にして昨今、人気を博しています。

 最近では、こうしたタワーマンションが林立する湾岸部を新興の「ブランド住宅街」などと称する声もあります。

 そもそも湾岸にタワーマンションがたくさん建ち始めたのにはきっかけがあります。それは1996年に行われた大都市法の改正です。

 政府はこの年、都心居住の推進を図る名目で、東京都心部の容積率を一気に引き上げ、建物の高層化を促しました。当時はバブル崩壊後で世の中はデフレ時代に突入。外国為替市場では1ドル80円を切る超円高となり、採算が悪化した輸出型製造業の多くは、工場を東京湾岸部から次々と撤退させ、中国などのアジア各国へと拠点を移しました。

 この工場跡地に目をつけたのがデベロッパーやゼネコンです。これまで製造業の工場や大型倉庫が立地する湾岸部は、工業地域が多く容積率も200%程度に抑えられていました。それが大都市法の改正で400%、あるいは600%まで軒並み引き上げられたのです。工場跡地は土地面積も広いため、超高層のタワーマンション建設が可能となったのです。

 土地代も内陸部の住宅地よりは割安ですし、一度に数百戸から1000戸程度の住宅を分譲できます。デベロッパーやゼネコンから見ても効率のいい商売であり、これらの事情を背景に、タワマンタウンが都内に数多く出来上がったのです。

 では湾岸の「タワマンタウン」に住む、ということをどう評価すべきでしょうか。

 タワマンタウンを選ぶ際には注意すべきポイントが多くあります。湾岸のタワーマンション街は、工場の跡地などを新しく開発したケースが多いため、どうしても古くからの住宅街に比べて環境が見劣りします。周囲に薄暗い倉庫街が残り物流トラックが行き交ったりするなど、必ずしも良好な住環境が確保されていないケースも多いのです。

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最終更新:5/20(月) 5:20
東洋経済オンライン

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