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「本物の教養」を得るための「知的アウトプットの極意」を

5/20(月) 7:00配信

Book Bang

「はじめに」で度胆を抜かれます。

「私は、毎月平均2冊のペースで本を出し、抱えるコラムや連載などの締め切りの数はひと月あたり約90になる。ひと月に書く原稿の分量は、平均して1200ページ、字数にして約50万字にもなる。この膨大な創作活動は、膨大なインプットに支えられている。執筆のために、多い月では500冊以上の本に目を通す」

 私は落語もできる作家を標榜、そこそこ書いたり読んだりしているつもりでしたが、完全に打ちのめされました。上には上があるのは承知ですが、とてつもなく上の人があると知ったわけです。しかも著者は「世の中で起きている出来事をタイムリーに知るために、全国紙・地方紙から業界紙まで含め、合計10紙ほどの新聞に目を通すのも欠かせない日課になっている」と続け、ダメ押しを食らいます。

 スーパーマンの真似はできないと戦意喪失しそうですが、ちょっとお待ちください。著者は「本物の教養が身につく知的アウトプットの極意」を、優しく教え導くのです。

 アウトプットするにはインプットが必要ですが、たとえば読書について著者はこんなアドバイスをします。どんな本を選ぶかについて「自分で判断できないうちは、新聞などの書評欄を参考にする、書店員を味方につけるというのもいい」とし、(都内のみですが)書店名を挙げます。八重洲ブックセンター本店、丸善丸の内本店、三省堂書店神保町本店、ジュンク堂書店池袋本店、紀伊國屋書店新宿本店の5店を。そしてその理由を「総じて専門書売り場にいる書店員の質が非常に高い。正直な話、中途半端な識者、大学教授など軽く超えるレベルといっていい」と述べます。どうです、頼っていいとはずいぶん気分が軽くなるではありませんか。

 著者はそれらを、時に肩の力を抜き、焦らずにやればいいとも言い、ゆっくりでもいいのかとひと安心です。

[レビュアー]立川談四楼(落語家)

新潮社 週刊新潮 2019年5月16日号 掲載

新潮社

最終更新:5/20(月) 7:00
Book Bang

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