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『ウィキリークス』創設者・アサンジはなぜ世界を手玉に取るトリックスターになれたのか?

5/20(月) 6:00配信

週プレNEWS

あれだけハッキングに長(た)け、米軍の機密情報を手に入れる際には内部告発者のパスワード解読をサポートしたといわれるアサンジが、ロシアの"不都合な情報"にはほぼノータッチだった。

「ロシアのスパイファイル」なるものを公表したこともありますが、その内容はすでに公開されていたものの寄せ集めで、ロシア側に"検閲"してもらったような毒にも薬にもならないものでした。

「アメリカの真実を暴露した自分は迫害をされている」と主張する彼自身の提示した"真実"が、かなりねじ曲がっていたことは疑いようがありません。

ひとつひとつの情報は決してウソではない。けれども、自分に都合のいいものの断片だけをバイキング形式のランチのようにかき集めて、プロパガンダに落とし込む――。

昔から活動家がよく使う手法を、アサンジはデジタル技術を駆使して現代風にアップデートし、国際世論を手玉に取ってトリックスターになったということです。

日本でも2011年の東日本大震災、および福島原発事故の直後には、自身の主義主張のままに偽情報を垂れ流す"ジャーナリスト然とした人々"が大勢いました。多くの人が見事に踊らされ、慎重でなければならない大手メディアでさえも、サイエンスやファクトよりもオピニオンに重きを置いた記事を乱発していったように思います。

いつだって真実は多面的です。ひとつの結論に向かって突き進んでいくすっきりとした"真実"を見たら、まず疑うこと。この基本がいかに重要か、われわれはあらためて知る必要があるでしょう。

●モーリー・ロバートソン(Morley Robertson)国際ジャーナリスト、ミュージシャン。1963年生まれ、米ニューヨーク出身。『スッキリ』(日テレ系)、『報道ランナー』(関テレ)、『水曜日のニュース・ロバートソン』(BSスカパー!)『Morley Robertson Show』(block.fm)などレギュラー出演多数。2年半に及ぶ本連載を大幅加筆・再構成した書籍『挑発的ニッポン革命論 煽動の時代を生き抜け』(集英社)が好評発売中!

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最終更新:5/20(月) 6:00
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