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「老親の家」の売却 親の生前にすべきか、死後にすべきか

5/21(火) 16:00配信

マネーポストWEB

 リビングくらしHOW研究所が行った「親の家」についてのアンケートでは、「親の家に悩みがある」と答えた人は78.3%にのぼった。多くの人が、老いていく親や実家を問題と感じているのだ。たとえば実家が老朽化して空き家になっても、なかなか売却できないケースは少なくない。

 埼玉県在住の主婦・熊井さん(仮名・57才)が話す。

「昨年父が亡くなり、母は施設に入居。実家は空き家になったため、兄と弟に、実家を売ってはどうかと提案しました。ところが、兄と弟は猛反対。家族と過ごした思い出の家を維持したいと言うのです。

 結局話し合いはまとまらず、1年間放置状態に。その間誰も管理していなかったので、先日様子を見に行った時には、ひどい異臭で1時間と居られたものではありませんでした。雑草が生い茂り、野良猫が棲みついて近隣住民からも苦情が来ています」

 実家が空き家になったものの、売却の決心がつかない人は多い。わくわく法人rea東海北陸不動産鑑定・建築スタジオ代表の中山聡さんが話す。

「空き家になってからの荒廃は想像以上に早く進みます。3日でカビ臭くなり、5日で中に入るとムッと異臭を感じるようになる。こまめに手入れをしなければ、すぐに廃墟と化します。放置し続けると、家に穴があいて生き物が侵入したり、他人が勝手に住み着いた例もあります。そうなってしまえば不動産価格にも影響する」

 維持するのもお金がかかる。税理士の保手浜洋介さんが話す。

「誰も住んでいなくても、固定資産税と都市計画税がかかります。首都圏郊外の一戸建ての場合、年間15万~20万円ほど。それだけでなく、倒壊などの恐れがある『特定空き家』に指定されてしまったら、土地の固定資産税はこの6倍、都市計画税は3倍に跳ね上がります。解体して更地にしたとしても、解体費用のほか、税金は同様に6倍に。空き家になる前の『生前』に手を打つことが大切なのです」

 とりあえず親が亡くなるまで放っておこう―─そういう考えも「負け組」へ一直線。もし売却するなら親の生前にするのが「勝ち組」だ。税理士の福田真弓さんが話す。

「自宅を売却する際、生前には、譲渡所得から3000万円が控除されて税金が計算される『マイホームを売ったときの特例』があり、死後にも、同じく3000万円が譲渡所得から控除される『被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例』があります。どちらも金額は同じですが、死後の特例は適用条件が非常に厳しい。逆に、前者の適用のハードルは低いので、『生前』に特例を利用することをお勧めします」

 ただし、注意も必要だ。売る前に一度、短期間でも家を貸してしまったら、この特例は使えなくなる。有利に売るため、「生前」に親と「家をどうしたいか」をしっかり話し合えるかが大切だ。

※女性セブン2019年5月30日号

最終更新:5/23(木) 13:43
マネーポストWEB

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