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「専業主婦の年金半額案」 働く女性との分断はかる厚労省の思惑

5/21(火) 16:00配信

マネーポストWEB

「無職の専業主婦」を標的にする年金改悪を報じた本誌・週刊ポストの記事(ネット記事のタイトルは、〈働く女性の声を受け「無職の専業主婦」の年金半額案も検討される〉)は、こんな反響を呼んだ。

「専業主婦は家事や育児、介護など重労働をしている。無職ではない」「ポストの記事は働く女性と専業主婦の分断をはかるものだ」といったお叱りの電話やメールもあった。

 まずはそうした「誤解」を解いておきたい。「女性が輝く社会」のスローガンの下、働く女性とサラリーマンの妻(第3号被保険者)、さらにはパート勤務などの「働く主婦」と「専業主婦」を分断し、“第3号被保険者は保険料を払わずに年金をもらえる”と煽って専業主婦から年金保険料を徴収しようとしているのは国(厚労省)である。

 これまでの年金改革の議論を辿るとよくわかる。

 第3号被保険者の制度ができたのは、1985年の年金改革(実施は翌年)だ。それまでサラリーマンの妻(専業主婦)は国民年金に任意加入して保険料を払わなければ年金をもらえなかったが、「主婦は家事労働で貢献している」という考え方から「夫が厚生年金に加入していれば扶養家族の妻も国民年金に加入した」とみなされ、自分で保険料を払わなくても年金受給権を得るようになった。

 実は、この時、サラリーマンの厚生年金保険料が2割も引き上げられた。「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾氏が語る。

「当時の財政検証で、第3号制度導入で将来の年金給付が増えると計算され、厚生年金の保険料率が10.6%から12.4%に引き上げられた経緯があります」

 つまり、第3号主婦の保険料分は夫や独身サラリーマンが分担しているので、決してタダ乗りではない。ところが、年金財政が苦しくなると、厚労省はタダ乗り批判を展開していく。

「第3号廃止」の“2段ロケット”

 厚労省は2000年、「女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会」を設置し、〈第3号被保険者の中には自分の保険料も含めて夫の給料から天引きされていると誤解している者も少なくない〉(同検討会資料)と指摘。第3号制度の見直し方針を打ち出すと、2002年の社会保障審議会年金部会に、【1】夫の厚生年金を妻と2分割【2】第3号に保険料負担を求める【3】第3号の年金給付を減額する【4】第3号の対象者を縮小していく――という4つの改革案を提示した。

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最終更新:5/21(火) 16:00
マネーポストWEB

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