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米・イラン、言葉の戦争激化

5/21(火) 22:41配信

Japan In-depth

【まとめ】

・米国とイランの「言葉の戦争」エスカレート。

・米対イラン挑発は現実超えた誇張の産物。

・正統派の中東政策はもう戻ってこないだろう。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=45859でお読みください。】



先週末から米国とイランの「言葉の戦争」がエスカレートしている。先々週、米国は「明確なメッセージを送る」ため、空母打撃群と爆撃機部隊を中東に派遣した。先週もサウジアラビアとUAEが複数の原油タンカーに対する「破壊行為」を公表するなど、イランの関与を示唆する報道が続いた。でも、これって、ちょっと異常ではないか。

同盟国間でも意見は割れた。当初英軍関係者は「イランの脅威増大」を否定していたが、英政府関係者は別の見解を発表している。米国政府内でも、トランプ氏が「戦争は望まない」とする一方で、ボルトン補佐官やポンペイオ国務長官は引き続きイランを厳しく批判している。一体何が起きているのか、一体誰を信じたら良いのか。

そんな折、先週末トランプ氏は態度を一変させ、「アメリカと戦う気なら、イランは正式に終わりだ」「2度とアメリカを脅迫するな!」などとツイートした。トランプ氏は同日バグダッドにある米大使館付近にロケット砲弾が撃ち込まれたことに激怒したというのだが、おいおい、この程度で“official end of Iran“とはやや大袈裟ではないか。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1130207891049332737
▲Donald Trump twitter

報道によればロケット弾は大使館から約1.6キロも離れた地点に着弾したという。米国は「イラク国内でイランの支援を受けるシーア派民兵組織による犯行」との見方を強めているそうだ。でも、それがどうした?米国大使館に近い、昔「グリーンゾーン」と呼ばれた地域に対するロケット砲攻撃なんて日常茶飯事だった。一体何を騒いでいるのか。

筆者が同地域で勤務したのは15年も前の話だが、当時からイラク国内におけるイランの影響力は圧倒的であり、特に有力なイラク・シーア派武装集団でイランの支援を受けていない組織など殆どないはずだ。米国がイランを脱兎のごとく忌み嫌うのは自由だが、最近の米国による対イラン挑発は現実を超えた誇張の産物ではないのか。

やはり、ここで求められるのは冷静な視点だろう。今イランが米国と戦争して勝てると思うだろうか。ここでイランが米国の挑発に安易に反応し米国を攻撃すれば、それこそ米国内の反イラン勢力の思う壺ではないか。米国内では、「2003年のイラク核兵器開発疑惑に似ている」との指摘もあるが、今回は明らかにそれ以下の茶番である。

しかし、イランが中東各地の反米勢力に有形無形の支援を与えていることは否定できない。中にはイランからの強い圧力や説得にもかかわらず、対米攻撃を実行してしまいそうな間抜け集団もいるだろう。されば、米国の反イラン勢力の「ベタな挑発」も案外効果的ということか。それでも、常識的には「今後何も起きない」と考えるべきだ。

〇 アジア

先週末の豪州総選挙で再び主要メディアの予測が外れた。ロイターは、「与党保守連合が予想に反して勝利したため、最大勢力の自由党を率いるモリソン首相の党内基盤は強まり、長期安定政権への道が開けた可能性がある」と報じたが、本当に「奇跡」の勝利だったのか。日米豪の連携維持という点で変化がないことは良かったが・・。

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最終更新:5/21(火) 22:41
Japan In-depth

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