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寝屋川中学生殺害事件・山田浩二死刑囚獄中手記!

5/21(火) 19:46配信

創

死刑を宣告された瞬間は現実を受け止められなかった

●はじめに(編集部)
 ここに掲載するのは、2018年12月19日、大阪地裁で死刑判決をくだされた寝屋川中学生殺害事件の山田浩二被告の獄中手記だ。掲載したのは月刊『創』4月号(3月7日発売)で、執筆されたのは2019年になってからだ。裁判について『創』が12月7日発売の1月号にレポートを掲載したことがきっかけで山田被告から編集部に手紙が届いた。その後、手紙をやりとりした後、今年に入って被告本人から手記掲載を依頼してきたものだ。 その後、2019年5月に突如、彼は控訴を取り下げてしまった。死刑が確定することになる。
 そもそも事件が起きたのは2015年8月、大阪府寝屋川市駅周辺にいた中学1年生の星野凌斗君と平田奈津美さんが行方不明になり、遺体で発見された。防犯ビデオに残された2人の映像が連日、テレビで放送され、いたいけない姿に多くの人が涙した。
 逮捕されたのは、その夜そこを車で訪れていた山田浩二被告だった。被告が黙秘したこともあって、捜査は難航し、2018年11月1日から行われた裁判員裁判で山田被告は、星野君は熱中症で死亡、平田さんについては過失致死と主張した。
 大阪地裁の判決は、山田被告の主張を退け、死刑を宣告したものだった。本誌編集部に被告から手紙が届いたのはその数日後だった。
 過去、この事件について書いた本誌記事も差し入れたが、山田被告は動機を性犯罪ではないかと捉えた当時のマスコミ報道を前提にした本誌の記事についても、それは立件もされていない誤りだと指摘した。
 一審では検察側弁護側の主張が全く食い違ったまま死刑が宣告されたが、事件の細部についてはいまだに薮の中だ。事件について詳細に検証するためには、裁判記録を含め、独自の取材を行う必要があるが、今回の手記は事件内容というよりも、死刑判決についての山田被告の心情を書いたもので、掲載の意義はあると判断した。(編集部)

初公判2日前まで公判前整理手続き
 平成最後の2019年4月4日に、私は49回目の誕生日を迎えます。4月1日に新しい元号が発表されるとのことで世間はその話題で盛り上がっている頃、私は現在拘禁生活を送っている大阪拘置所でひっそりと誕生日を迎えます。今回の逮捕で大阪拘置所にて生活を送ることになって4度目の誕生日であり、接見禁止が解除になって丸1年が経とうとしています。
 この1年を振り返ってみると、あっという間だったような気がします。私はノートにその日あった出来事、その日に出た食事、その日に流れたラジオ番組、そのラジオ番組から流れた曲目、その日に起こった世間の出来事、その日に起こった身近の出来事等々…を欠かさず記載しています。拘禁生活は今回が初めてではなく、過去にも経験していますが、その頃からの習慣みたいなものです。今、それを見ながらこれを書いています。
 全体的に総括してみると接禁解除から現在までの約1年間は私にとって色々な意味で試練も多く、楽しい出来事より辛く苦しい出来事や悔しくて泣きたくなりそうな出来事の方が多かった気がします。
 やはり一番のトピックは裁判員裁判でしょう。これまで5回、刑務所生活を送っており、その数だけ法廷に立っているのですが、一般市民が裁判官とともに一つの合議体を構成し裁判する制度である裁判員裁判の法廷に立つのは、全くの初体験です。初公判2~3日前からすごく緊張して、いつも以上に夜も眠れず食事も喉(のど)を通らない日々でした。
 今回の私の逮捕から初公判までの期間は約3年2カ月、公判前整理手続き期間中に約4カ月半(2017年8月~2018年1月)は精神鑑定の為、身柄が東京拘置所に移されていたこともあり、初公判までの期間がすごく長く感じました。公判期日が決まっても、まだまだ随分先の出来事…って感じで実感が湧きませんでした。
 弁護士との公判の打ち合せも本格的に始めたのは初公判の数週間前だったし、公判前整理手続きも、初公判2日前の10月30日まで行われていた為、なかなか実感が湧かなかったのです。公判前整理手続きがようやく終了して気持ちを初公判に向けてリセットした感じです。
 しかし、その時は2日後に初公判という現実が待っていて、あまりの期間の短さに気持ちの切り替えがうまく出来ず、本当、今思い出してもすごく緊張して頭の中が真っ白になりました。判決前よりもドキドキしていたかもしれません。
 弁護士と打合せをしていても全然頭に入らず「どれだけ大きな法廷なんだろう?」「どんな裁判員なんだろう?」等々…もう緊張だけでなく不安や心配で死にそうになりました。大阪地方裁判所で一番大きな法廷と聞いていたんですが、どれくらいの大きさなのか想像も出来ず、不安は募るばかりです。傍聴席は報道記者でいっぱいになるんだろうなぁとか傍聴席からアンチがやじを飛ばしたり、最悪、襲撃されたらどうしようなんてことも考えたりしました。

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最終更新:5/25(土) 15:34

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