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寝屋川中学生殺害事件・山田浩二死刑囚獄中手記!

5/21(火) 19:46配信

創

斜め右の居室で見た異様な光景

 判決から約1週間後の12月27日にこんな出来事がありました。大阪拘置所は起床時間が午前7時30分で、その時間になるとチャイムが鳴ります。起床の合図です。そして寝具を定められた位置に片付け、洗面や居室内の掃除をします。大体10分後の7時40分頃に朝の点検があります。
「点検準備」という職員の号令のあと「点検」の号令が流れます。「点検なおれ」の号令がかかり「配食準備」の号令が流れるのが7時45分前後です。号令通り朝食の配食を待っていました。すると私の居室の向かって斜め右の居室に数名の職員が集まっていました。
 私が生活しているフロアの新棟は「対面舎房(マジックミラーの窓になっており、対面の居室の部屋の中までは見えない仕組み)」となっています。私の居室のフロアは全部で36居室あり、1~18室が北側、19~36室が南側になっています。北側の居室で向かって斜め右側の28室前に数人の職員が集まり、開錠し「これから面接するから、すぐ終わるから出て来て」と職員が言い、その居室で生活をしていた人を連れてどこかに行きました。
 最初、私は「こんな朝早くから面接なんて大変やなぁ」程度しか思わず、それにこの時間帯は資格異動(未決から受刑者に刑が確定し身分が変わること)で連行される人が多いので、その為の「領置調べ」なのかな?とも思っていました。私自身全く面識もない人だし、興味もその時は特にありませんでした。
 ただこの日に限って朝食の配食がいつもより20~30分程遅くなりました。炊場は1階にあり、大体点検終了ぐらいにフロア周辺にあるエレベーターを使用して各階に運ぶシステムです。この日の朝食の配食が遅くなっているのは、炊場で何らかのトラブルがあって遅くなってるのかなあ?と思っていました。
 この日は朝早くに共同通信社の報道記者の面会依頼がありました。判決直後はさすがに誰とも会う気分になれず、何度か報道記者の面会依頼がありましたが、すべて断っていました。裁判が始まれば手紙の数も嘘のように減って、テレビの報道でも面白おかしく事実と異なる視聴率重視の内容で放送されたことを知りました。マスコミに利用されていたんだ、報道記者に信頼していたのを裏切られ、所詮ビジネス面会だったんだというショックを受け、人間不信になっていました。
 だから、この日の面会も断ろうと思っていましたが、判決から1週間経ち、少しは気持ちの整理がついたし、年内ラストになると思うので、判決後初の面会を受けました。そして面会が終わり、28室前を通るとまだ点検終了後に連れて行かれた人は居室に戻ってきていません。「えらい長い時間面接をしているなぁ~」と思いました。
 その後、午前10時頃でしょうか、28室の前に大きな台車とゴミ箱が置かれているのを見ました。そしてこのフロアの主任職員がその居室に入り、居室内にある荷物を台車に積んで行きました。その様子を「面接で暴れて保護房に入れられついでに転房させられたのかなぁ」と思いながら見ていました。

 居室から運ばれる荷物が訴訟関係の書類みたいで大量の書類が台車に積まれていました。私も居室内に大量の訴訟資料書類を所持していますが、私より数倍以上の量でした。その後、居室からその人が日常的に使用している私物のコップやハンガー等をゴミ箱の中に入れていきました。
 転房なら私物も台車に積むはずなのに何故捨てる? おかしいなぁ…と思った時にふと、こんな事を思い出しました。「死刑執行は週末(木~金曜)に行われる事が多い」。そういえばこの日は木曜日。何かの本でそのような記事が書かれていたのを何故このタイミングで思い出したのか判りません。
 ちなみに私が死刑判決を宣告されたちょうど1年前の2017年12月19日に東京拘置所A棟8階で生活していたときに同じフロアで生活していた死刑囚の刑が執行されてましたが(ちなみにこの時は火曜日)まさかなぁ…。けど大阪拘置所新棟6階で生活している収容者は基本各階の移動は階段を使用せずエレベーターを使用するんですね。そういえば今朝は朝食の配食が遅れたけど、それは炊場での何らかのトラブルでなく「何らかの理由」でエレベーターが使用出来なかった為に配食が遅れたのでは?
 あと大阪拘置所は週2回の入浴が実施されます。普通は居室ごと順番に入浴するのですが、私が現在生活しているフロアは何故か順番とは関係なくある特定の人たちが朝一番に入浴をしているんです。またその人達が入浴する時は立ち合いの職員が3~4人(警備隊)なんです。普段の立ち合い職員は2人なのに…です。朝一番に入浴しているメンバーはいつも一緒だし、おかしいなぁ、これってもしかして…?とは思っていましたが、そういえば今朝連れて行かれた人も朝一番に入浴しているメンバーだったなぁ…と思い、もしかして…?って思いました。
 点と線がつながった瞬間でした。この時期はまだ落ち着いてラジオを聴く気分ではなかったのでラジオのスイッチはOFFにしていましたが、午後と夕方に流れるニュースの時間だけスイッチをONにしました。
 そして夕方、午後のNHKニュースを録音したものが放送されましたが、その時にこの日大阪拘置所で2名の死刑囚の刑の執行があった事を知りました。
「やっぱりそうだったんだ…」
 犯行から30年、死刑確定から14年、「コスモリサーチ事件」で死刑判決を受けて刑が確定した人達の執行だと知りました。私の向かって斜め右の居室だった人は再審請求中だったそうです。山下貴司法務大臣就任後、初の死刑執行。法務大臣が「刑事訴訟法第475条」という法律を何故守らないんでしょうか?

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最終更新:5/25(土) 15:34

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