ここから本文です

そのスニーカーは、「環境に優しい」履き心地がする

5/21(火) 8:11配信

WIRED.jp

アパレル企業のEverlaneは2010年に創業して以来、洗練されたものを好む消費者層にベーシックな衣類を販売することで急成長してきた。ワイドパンツ、カシミアセーター、シルクシャツなどは、その一例だろう。

「再生プラスティック」を使ったファッションは本当に環境に優しいのか?

ところがEverlaneの“夢”は、こうしたありきたりではないデザインで存在感を放って終わりというわけではない。同社はこれまで、ペットボトルを再利用したダウンジャケットや、環境汚染の原因となる染料を使用しないオリジナルのデニムパンツを生産してきた。そして今度は、サステナビリティへの取り組みに総力を挙げている。

Everlaneの次なるプロジェクト「Trainer」は、エコ意識を一歩進めたスニーカーブランドだ。リサイクルされたプラスティック、ゴム、レザーでできたユニセックス仕様である。最先端のテクノロジーによって生まれたスニーカーだが、見た目はそうとも言えない。おばあちゃんか、あるいは美術学校の卒業生が履いていそうなデザインだ。

「スニーカーはアメリカンファッションの足元に欠かせない基本アイテムです」と、同社でシューズおよびアクセサリー部門の事業部長を務めるアリソン・メルヴィルは語る。「わたしたちがTシャツ、ジーンズに続いて選んだのが、スニーカーでした」

Everlaneは98ドル(約10,800円)のTrainerを投入するにあたり、エコを意識したファッションに斬新さを加えた「Tread by Everlane」シリーズを新たに設けていた。サステナビリティを重視する同社らしいやり方でゼロからスニーカーを完成させるまでには、約2年の歳月がかかっている。それはクリエイティヴな発想で開発を重ね、サプライチェーンの再構築に試行錯誤を繰り返す日々だった。

プラスティックからの脱却

Everlaneは、生産工程におけるヴァージンプラスティックの使用を2021年までに全廃する計画を18年に発表した。これが再生プラスティックを主原料とするアウターウェアの新ライン「ReNew」の展開につながったのだ。ジーンズやシルクシャツなど、ほかの定番商品もサステナビリティを意識し、水質汚染の最小化に注力して生産されている。

同社はスニーカーの生産に当たり、一般的な靴に使用される数十個ものパーツの見直しを余儀なくされた。ほとんどがプラスティック由来の材料でできていたからだ。「EVA、PET、TPEといった遠回しな略語で呼ばれていますが、要するにすべてプラスティックなのです」とメルヴィルは話す。

シューズ業界では、プラスティック素材を使うことが当たり前になっている。安価で軽量であることに加え、扱いやすいからだ。他社のブランドも、プラスティック由来の材料の代わりにトウモロコシのような環境に優しい代替品を使った靴の生産を検討している。だが、代替材料にも相当量のプラスティック素材が使われており、そのうえ出来上がった製品の劣化は早い。

Everlaneはプラスティックの使用を抑えるとともに、何年でも擦り切れずに履ける丈夫な素材の開発に努めた。同社が注目したのは天然ゴムのリサイクルである。耐久性に優れる一方で、EVAなどの発泡プラスティックに比べると、かなり重量のある素材だ。

同社は時間をかけて、靴底に使う独自素材の開発に成功した。それは天然ゴムと再生ゴムの混合素材で、全体の94.2パーセントがヴァージンプラスティック以外でできている。中底をくり抜いてリサイクルの発泡材を詰めることで、ゴムの重さの問題を解決するとともに、足裏をサポートして靴音を抑える効果も生み出した。スニーカー1足につきペットボトル9.5本分の再生プラスティックが使われている。

表地になるレザーの加工ではヴェトナムの製革工場と提携して、人工湿地を利用したサステナブルな廃水処理に取り組んだ。裏地と靴ひもも、ペットボトルからの再生プラスティックのみを原料にしてつくられている。

1/2ページ

最終更新:5/21(火) 8:11
WIRED.jp

記事提供社からのご案内(外部サイト)

『WIRED Vol.33』

コンデナスト・ジャパン

2019年6月13日発売

1,200円(税込み)

『WIRED』日本版VOL.33「MIRROR WORLD - #デジタルツインへようこそ」来るべき第三のグローバルプラットフォームを総力特集

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事