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久保建英の図抜けた感覚。名手から2戦連発、17歳にして持つ「いつもの形」と底知れなさ

5/21(火) 11:00配信

フットボールチャンネル

明治安田生命J1リーグ第12節、FC東京対北海道コンサドーレ札幌が18日に行われ、ホームの東京が2―0で快勝した。後半14分に先制点を奪うと、試合を決定づけたのはMF久保建英。後半24分、コースを消しに来た相手DFの股の下を通す技ありのシュートを決めた。前節の磐田GKカミンスキーに続き、この試合では札幌GKク・ソンユンと名手から2試合連続で得点を挙げた17歳の図抜けた感覚に迫る。(取材・文:下河原基弘)

【動画】久保建英、鮮やかドリブルでゴール演出!相手DFを翻弄する超絶テクを披露

●「決めなきゃいけない場面だったので」(久保建英)

「もったいないシーンでした。失点しなくても十分守れるシーンでしたが」。札幌GKク・ソンユンが悔しさをにじませた2点目。だが決めた東京MF久保建英は「決めなきゃいけない場面だったので」とさらりと言ってのけた。

 195センチの名手が止められると感じていた状況は、17歳にとっては決めなければいけない場面。この感覚が天才たる所以なのかもしれない。そして、その言葉通りゴールは生み出された。

 1-0の後半24分、敵ボールを奪った東京FWディエゴ・オリヴェイラが中央をドリブルで持ち上がる。右前方を走っていた久保は相手DFとの関係を見ながら、スペースを作りつつ少し外側にふくらんだ。

 元日本代表で名FWとしても名高い長谷川健太監督をして「僕なんかよりも全然うまいと思いますし、非常にそういうところが長けているので、あの年齢で非常に輝きを放つプレーができているのかなと思っています」という非凡な動き。万全の体勢でパスを受けると、そこから鋭くペナルティーエリア内にドリブルで侵入した。

 対応した札幌DF福森晃斗は久保の前に入りつつ、ニアのコースを消す。そしてク・ソンユンは、その動きを受けてファーに備えた。「福(森)がニアを切って自分は遠いところを守ろうとしたんですけど」。これで防ぎきれるはずだった。

●長谷川健太監督も目を細めた

 だが、ここから久保はなかったはずのシュートコースを作り出す。左足に持ち替えて少しカットインし、福森が対応して足を伸ばすと、待ってましたとばかりに空いた股間の下を狙った。小さく速い足の振りで蹴り抜くと、ボールは相手GKの手をはじきゴールネットに突き刺さった。

「いいシュートでした。少ししかなかったコースに蹴ってきましたので。福と自分が守っているその間、“中途半端なとこ”を蹴ってきた。ほめるしかないですね」と韓国人GKは、そのアイデアとコントロールに脱帽した。そして足の振りの速さについて聞かれると、「そうですね。ドリブルもそうですし、短く細かくするタイプの選手なので、シュートもタイミング的にとりづらかったです」と肩を落とした。

 この技術とスピードとアイデアの詰まったビューティフルゴール。だが久保は「キーパーは全然見ていなくて、自分がいつも練習でやっている形にもっていくことだけを意識しました。決めなきゃいけない場面だったので、あまり意識することなくボールを自分のいいところに置いて、あとは蹴ったという感じですね」とこともなげに話した。

 2試合連続得点にも「いいことだと思います」と淡々と語るのみだったが、指揮官は「今日はサイドではあまり輝ききれなかったと思いますが、やっぱり建英のシュートの技術というところはいかんなく発揮してくれたと思います」と、そのクオリティーの高さと勝負強さに目を細めた。

●日本代表に選出されたら…ふくらむ期待

 背番号15の語った「自分がいつも練習でやっている形」。これに似た言葉を使って、若き天才の印象を話したのは、サイドでマッチアップしていた20歳の札幌MF菅大輝だ。

 今季リーグ戦全試合で先発出場している俊英は「やはりプロの舞台であれだけ落ち着いてやれているのはすごいなと思っています。自分のパターンというのを持っていますし、いい左足をもっているので、すごいなと思っています」と感嘆の声をあげた。

 17歳の選手が自分のパターン・形を確立し、それをJ1という敵も味方もハイレベルな舞台で表現してしまっている。技術やスピード、視野や判断能力、体力、精神力など、多くの能力が高いレベルにあるのだろう。以前、指揮官は昨年に比べて「すべてがスケールアップしている」と話していたが、まさにその通りとしか言いようがないパフォーマンスを続けている。

 チームは9勝3分けの無敗で首位を独走中。久保への対策も試合を追うごとに厳しくなってきているが、それでも結果を残してきているところに頼もしさと、底知れなさを感じさせる。

 日に日に存在感を増している天才は、日本代表への選出が濃厚と言われる。仮に実現したとして、A代表の舞台でも決定的な仕事をしてくれるのではないだろうか。

(取材・文:下河原基弘)

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最終更新:5/21(火) 11:00
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