ここから本文です

シリーズ・2回のお代替わりを見つめて(10)退位礼と即位の儀式:貫かれる天皇3代の思い

5/21(火) 15:02配信

nippon.com

斉藤 勝久

202年ぶりの天皇退位により、「令和」の時代が始まった。先の陛下(上皇さま)の退位と、新陛下の即位のお言葉に共通しているものがある。昭和天皇が終戦の翌年の初めに発した「天皇の人間宣言」だ。「天皇は国民とあり、信頼と敬愛で結ばれている」というお考えが3代の陛下に貫かれている。

最後まで国民に感謝された上皇さま

在位30年余の先の陛下が2019年4月30日、皇居で国の退位の儀式「退位礼正殿の儀」に臨まれた。最後のお言葉は約1分間半と短かったが、国民への深い感謝を述べられた。

「即位から30年、これまでの天皇としての務めを、国民への深い信頼と敬愛をもって行い得たことは、幸せなことでした。象徴としての私を受け入れ、支えてくれた国民に、心から感謝します」

憲政史上初の退位となったが、多くの国民に支持され、象徴天皇のお務めを全うされた陛下ならではのお言葉だった。約300人の参列者の中には、涙を流す人もいた。陛下は式を終えて退室する際、参列者に一礼された。国民のみんなに向かって、最後の挨拶をされているようだった。

男性皇族の急減を実感した「剣璽等承継の儀」

翌5月1日午前零時、平成から令和に改元した。長い間、改元は天皇崩御に伴うものと思い込んでいたので、新しい時代をなんの悲しみもなく迎えるのは、少し不思議ではあった。

皇位継承の最初の儀式は、皇位の証しとして伝わる「三種の神器」の剣や曲玉(まがたま=璽)などを受け継ぐ「剣璽等承継の儀」。前日まで先の陛下の玉座だった前に新陛下が立たれ、時代が替わったことを実感した。

しかし、式の映像を見て多くの国民が驚いたのは、新陛下に続く参列皇族がわずかお二方だったことである。国の儀式のため、政府の前例踏襲の判断で、参列皇族は皇位継承資格のある成年の男性と限定したので、秋篠宮さまと、上皇さまの弟の常陸宮さまだけとなった。30年前のこの儀式の参列者は6人だった。男性皇族の急減が、男系天皇に限る現制度の見直しを迫っている。また、女性皇族の参列を認めない国の儀式を今後も続けるのかは、きちんと検討すべき課題だ。

次の世代でただ一人の男子皇族、秋篠宮家の悠仁さまが通う中学校の机に刃物が置かれていた事件が、直前の4月26日に発生した。犯人は「刺そうと思った」などと自供。将来の皇位継承に大きな影響を与える可能性もあっただけに、背筋が寒くなる事件だった。

1/3ページ

最終更新:5/21(火) 15:02
nippon.com

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事