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シリーズ・2回のお代替わりを見つめて(10)退位礼と即位の儀式:貫かれる天皇3代の思い

5/21(火) 15:02配信

nippon.com

「常に国民を思い」と述べた新陛下

5月1日の2番目の国の儀式は「即位後朝見の儀」。新陛下が国民の代表と会い、天皇として初めてのお言葉を述べられた。白いロングドレスで、頭にティアラが輝く新皇后さまら、女性皇族方も参列。両陛下が一夜にして皇太子夫妻の時より大きく見えた。

「常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します」。2分足らずの短いお言葉に、陛下の熱い決意が込められていた。

先の陛下を見習って国民に寄り添い、戦後から続く象徴天皇を継承する覚悟は、前回の上皇さまの時のお言葉によく似ている。そして、その原点は、昭和天皇が敗戦から5か月後、1946年の年頭に発した「天皇の人間宣言」として知られる「新日本建設に関する詔書」にあった。

長い戦争が敗北に終わり、国民はうちひしがれて混乱しているが、「天皇は国民と共にあり、常に喜びと悲しみを分かち合いたい。天皇と国民は、常に相互の信頼と敬愛で結ばれている」と述べている。そして、天皇と国民の結びつきは、天皇が現人神(あらひとがみ)だとする架空の観念に基づくものではない、と続く。敗戦直後、昭和天皇は国家再建のため、すでに象徴天皇の原型を思い描かれていた。

上皇さまは、最後の「退位礼正殿の儀」で、「人間宣言」の中にある「(天皇と国民の)信頼と敬愛」という言葉を使われた。また、新陛下も「人間宣言」にある国民を思う気持ちを、「即位後朝見の儀」で述べられた。こうして、戦後から続く象徴天皇3代の「常に国民を思う」連携がみごとに成立したと、筆者は考えている。

一般参賀に14万人

重要な皇位継承儀式を終え、5月4日、即位を祝う一般参賀が皇居で行われた。東京都心の最高気温が24.8度となる暑い日だったが、平成以降では今年正月に次いで2番目に多い14万1000人余が訪れた。

陛下は6回のお出ましで、5回目以降は予定のお言葉に「このように暑い中、来ていただいことに感謝いたします」と付け加えられた。お人柄を感じさせる気遣いだった。黄色のロングドレス姿の皇后さまも笑顔で、何度も参賀者に手を振って応えられていた。

読売新聞が同3日に発表した世論調査によると、「今の象徴天皇のままでよい」と答えた人が78%。また、朝日新聞が4月にまとめた世論調査では、「皇室に親しみを持っている」との回答が76%で、同社調査では過去最高になった。安定した皇室支持の中で、令和は順調なスタートを切ったといえる。

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最終更新:5/21(火) 15:02
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