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生涯現役時代、ベテラン社員に高まる危機感・活躍シニアの“分水嶺”はどこか

5/21(火) 12:31配信

Wedge

 「65歳で独立したいなら、50代の今から準備しないと。その計画じゃ、正直遅いですよ」。厳しい講師の言葉に、自らのキャリアプランを発表した男性の表情はみるみるこわばっていく。4月某日、都内のビルの一室には7人のホワイトカラーが集まっていた。大手広告代理店や外資系金融会社、大手メーカーなどに勤務する40、50代の部長や課長といった役職者が中心だ。世間的には順調に出世していると評されそうな面々だが、みな一様に将来に不安を覚え、自らの意志で今後のキャリアを考える「知命塾」の門を叩(たた)いてきたという。

 知命塾とは、社会で長く活躍し続けたい30代後半から50代の会社員対象の、キャリア形成のためのセミナーで、受講料は4日間で3万5000円、土曜日を中心に開催される。6年前に開校し、これまで250人が受講した。参加者は年々若年化しているという。

 セミナーでは、受講生が転職や起業など5年ごとの将来ビジョンを描き、そのために必要なスキルや資金をシートに書き込み、1人ずつ発表していく。すると「計画が漠然としている」「その資格はなぜ必要なのか?」と発表者に向かって講師や他の参加者が、容赦なくダメ出しをしていく。冒頭のシーンもその一コマだ。参加した50代男性は、「自社の業界や今後のキャリアに危機感を抱いて参加した。同じ境遇の人たちからのフィードバックが心に響いた」と語り、現在の業務を生かした資格取得を決めたという。

 セミナーを主催する社会人材学舎グループの宮島忠文代表は「早い段階でキャリアの棚卸しを行い、他の職場でも再現可能な『ポータブルスキル』になりうる強みを整理したうえで、キャリアプランを築くことが重要」と語る。

 働く高齢者が増えている。労働力調査によれば、すでに就業者の5人に1人は60歳以上のシニアだ。彼らの労働意欲は高く、60歳以上の男女を対象にした内閣府の調査では、現在仕事をしている高齢者の約4割が「働けるうちはいつまでも」働きたいと回答した。「70歳くらいまで」、もしくはそれ以上との回答を合計すれば、約8割を占める(下図)。まさに、意欲さえあればいくつになっても働ける「生涯現役社会」の到来を感じさせる。

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最終更新:5/21(火) 12:31
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