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巨人・澤村拓一投手の一軍昇格に球団内も賛否両論

5/21(火) 12:40配信

Wedge

Gの黒歴史リレー

 球団内からは次のような声も出ている。

 「この山口と高木を含む一軍投手陣の中に2度目の飲酒トラブルを引き起こした澤村が騒動発覚直後にもかかわらず入ってきたことで一部のネットユーザーたちが、ヘンなところにスポットを浴びせようとしている。

 たとえば山口―高木―澤村という“Gの黒歴史リレー”の実現で、すでに一部でも話題になっていますよ。重い出場停止処分を食らってから復帰を果たしている山口と高木にとっては、ロクなペナルティも与えられずに一軍昇格を果たした澤村の存在は心中穏やかでないかもしれない。場合によっては自分たちの過去の“罪歴”が澤村の一軍再合流によって蒸し返されてしまうわけだしね」 

 それだけではない。澤村が2度目の飲酒トラブルについて「チームメートやスタッフたちにきちんと謝罪していない」との情報も飛び交っている。これが事実だとすれば、やっぱり問題だ。巨人全体のイメージを低下させ、そこに所属するチームメートやスタッフ、関係者らに多大な迷惑をかけているのは言うまでもなく、頭を下げるのが筋であろう。至極当然の行いをないがしろにしてしまっていることで一軍再合流後の澤村を「孤立が深まり、ほとんどの主力選手から距離を置かれてしまっている」と指摘する関係者もいる。

原辰徳監督の手腕ならでは

 しかしながら一方では意外にも、このタイミングにおける澤村の一軍再合流を評価する意見も少数ながら球団周辺から出ている。そのうちの巨人OBの1人は「原辰徳監督の手腕ならでは」と言い切り、こう続けた。

 「粗相を犯した澤村を反省させるべく二軍で“塩漬け”にしてしまえば、まず間違いなく彼の野球生命は終わってしまう。日のあたらない世界にいると澤村という男が性格上ダメになることを原監督は知っている。それならば嵐のようなバッシングを浴びることも覚悟した上で、あえて一軍に引き上げてマウンドで投げさせようとしたのだろう。

 もともと澤村はいい意味でも悪い意味でも強いハートの持ち主。表に出ることで自分に対する実際の風当たりがどれだけ強いのかを体感させ、そこで反省することをあらためて感じながらマウンドで“懺悔(ざんげ)の快投”を続けさせる。それが狙いだと思う。

 活躍し続ければ自軍にとって貴重な戦力になるし、他球団からトレード要員として目星を付けられるかもしれない。いずれにせよ、原監督はぶっ叩かれることを覚悟の上で澤村をあえて一軍に昇格させた。つい先日メディアの前で澤村に関し『孤独感は味わわせない』とはっきり言ったと聞いたが、その強い決意の表れだろうね」

 スーパーヒールのごとくG党からも冷たい視線を浴びている澤村が原監督の狙い通り、非難を賞賛に変えられる日は来るのか。これからも続くイバラの道を乗り越えられるか否かは、本人の心構えにかかっている。

新田日明 (スポーツライター)

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最終更新:5/21(火) 12:40
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