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佐々木蔵之介、“艦長”西島秀俊は「いかなるときもブレない」

5/21(火) 18:30配信

ザテレビジョン

かわぐちかいじの同名漫画を原作とした映画「空母いぶき」(5月24日・金公開)。国籍不明の武装集団に日本の領土を占領された遠くない未来を舞台に、この国が保ち続けた平和を守ろうとする人々の姿を描いたサスペンスだ。日本映画界を代表する実力派キャストが顔をそろえる中、佐々木蔵之介は敵と対峙することになる自衛隊初の航空機搭載型護衛艦“いぶき”の副長兼航海長の新波歳也を演じた。

【写真を見る】今作で2度目の共演という西島秀俊&佐々木蔵之介

■ 平和を守るという目的は同じ

――オファーを受けたときの感想を教えてください。

かわぐちさんの原作がとても手に汗握るもので、興奮しながら読みました。その映画に出演できるのは、とても光栄に思いました。あと、製作陣からの「平和を守るための映画」という言葉も大きく、参加させていただくことに決めました。

――佐々木さんが演じられた新波は、戦わずに平和を守ろうとする男。「戦わなければ守れないものもある」と主張する艦長の秋津(西島秀俊)とは対極にあるキャラクターですね。

登場人物の中で誰一人として戦争をしたいと思っている人間はいません。新波も秋津も方法論や行動が違うだけで、平和を守るという目的は同じだと思います。ただ、秋津は結論だけ言って、そこに至るまでのプロセスを一切話さないので、何を考えているのか読めない。なので、新波の感情のふり幅を大きくした方が対照的に見えるのではないかと思ったので、そこは意識していました。

――劇中には二人が意見をぶつからせるシーンもありますね。

新波と秋津は同じ防衛大学に通っていた同期で、新波は海上自衛隊一筋、秋津には航空自衛隊にいた過去があります。その違いもあるとは思いますが、二人を単なるライバルとして描くのではなく、藤竜也さん演じる群司令の涌井を挟んで意見を言い合うのが面白いなと思いました。

■ 秋津はなかなか手ごわい人ですよね(笑)

――佐々木さんとしては秋津のような上司をどう思いますか?

一般社会ではなかなか手ごわい人ですよね(笑)。もちろん、秋津は先を見通すことのできる優秀な人で、彼が下した結論が的を得ていることもあるんですけど、もうちょっと説明が必要なんじゃないかと思いますね。

――相当過酷な撮影だったと聞きましたが、現場であらためて感じたことはありましたか?

映画のわりと最初の方に出てくるんですけど、「戦闘態勢につく」というセリフがあって。もちろん、台本を読んで、いろんな局面に立たされるのは分かっているんですが、自衛官である彼らにとっても「戦闘態勢」というのは非常に危ない状況で、早くもこんな状況かと。それを現場に入って実感するところは大きくありました。なので、僕たちがそれをどこまで理解して口に出せるかは常に考えていましたね。

――撮影中はずっとセットの中にいて、スタジオの外に出ることも許されなかったとか?

確かにそうでしたね。でも、実際に護衛艦に乗ってらっしゃる方もそんな感じなんだろうなと。なので、昼休憩と夜休憩が楽しみで仕方なかったです(笑)。

――撮影に入る前に実際の自衛官の方々とお会いになったそうですが、印象に残っていることはありますか?

海上自衛隊は艦に乗る全員が家族みたいなもので、艦が家なので、そこから降りることはむしろ外出なんだそうです。あと、うかがった話が戦闘に関することばかりなのに驚きました。レーダーでどう傍受するのかとか、このミサイルはこう撃つとか、そういったお話を聞いて、自衛隊の任務とはそういうことなんだとあらためて思いました。

■ 西島さんは常に穏やかでブレない

――秋津を演じられた西島さんとは2度目の共演ということですが、印象を教えてください。

戦況が乱れると、みんな心が揺れたり、現場が緊迫することもあるんですが、西島さんは常に穏やかにそこにいてくださるので、すごく安心感があります。撮影中に1度、西島さんの声が出にくくなってしまったことがあったのですが、そのときもそれほどテンパってなかったですからね。西島さんはいかなるときもブレないので、そういう意味では秋津そのものでしたね。

――この映画では“いぶき”をはじめとする自衛隊のほか、政界、マスメディア、一般市民の視点からも描かれています。ご自身が出演されていないパートをご覧になられての感想を教えてください。

戦争をしたいと思っている人は一人もいなくて、みんなが自分の立場で最善策を考えているのがよく分かりました。あと、中井貴一さんが店長を演じられたコンビニのシーンがあるのですが、それを見ていて、これが現実だよなと思いました。店長が書いているメッセージに込められた平和への思いも感じられるし、24時間の物語を多角的に見せていて、とてもいい映画でした。

――では最後に読者へのメッセージをお願いします。

映画ではさまざまな局面が訪れますが、それぞれの立場から最善を考えて、実行していく姿を見て、すごくカッコいいなと思いました。映画を見終わった後、見ていた時間の間にも、僕たちが知らないところで格闘されている人がいるかもしれない。そう思うのと同時に、エンターテインメントでありながら、あらためて平和のありがたみを感じる映画になっていると思います。(ザテレビジョン・取材・文=馬場英美)

最終更新:5/29(水) 19:56
ザテレビジョン

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