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松坂大輔「練習日にゴルフ」はそんなに大罪か?

5/21(火) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 松坂大輔投手(中日)が、2軍の練習日にゴルフをした件で厳しい非難を浴びている。ネット上でも松坂投手の「軽率な行動」に対するファンの声は厳しい。こうした批判を受けて、松坂投手本人も球団に謝罪し、一貫して反省の弁を述べている。

 一連の動きを見て、私は首をかしげた、そして「重い気持ち」になった。日本は、なんと生きづらい国であるか。

 松坂復活に向けて「最善を尽くす」行為より、組織の一員として「規律を守ること」を無条件で優先する。そういう考えが根強く支配していると改めて思い知らされた。

● 「有給休暇は何をしてもいい」 そんな空気感は野球界にみじんもない

 松坂投手は、関東の医療機関で治療を受けるため、2軍の練習を休んでいた。ところが、そのついでにゴルフをやった。これが問題にされたわけだが、会社員の方が「有給休暇や代休で休んだ日にゴルフをやった」のと大差ないのではないか?

 松坂自身も言うように、ウソをついて関東に行き、治療もせずゴルフをやったのではない。治療を受け、トレーニングをしたうえでゴルフをやった。それでもアウトなのか?

 かつて日本には「有給休暇を取ること」に罪悪感を覚える雰囲気があった。有給休暇だから何をしてもよいわけでなく、同僚は働いているのだから、必然性がある用事に充てて過ごすべきだという堅苦しい考えがあったと思う。

 そうした認識を一掃し、働く人の権利や自由が保障される時代になった。有給休暇の日に、朝からビールを飲もうが、デートをしようが、ゴルフをやろうが、今やとがめられることはない。

 ところが、松坂投手はゴルフをやって、非難を浴びた。肩を壊しているのにゴルフをやったのがいけないのか? シーズン中に野球以外の息抜きは許されないのか? ゴルフは不埒な行為なのか? 「野球は団体競技なのに、ひとり勝手なことをした」と言わんばかりの責めようである。松坂投手は、試合をすっぽかしてゴルフをしたのではない。それでも世間は松坂の「リフレッシュ」を許さなかった。

 シーズン当初から登板できない苦しさは、誰より松坂投手が感じているはずだ。広々としたゴルフ場での気分転換も、松坂投手には大切ではないか。

 現在の肩の状態を誰よりわかっているのも松坂投手自身だ。ゴルフがけがに影響するかしないか、しないと判断したからやったに違いない。それなのに「印象」だけで非難する、そんな世間の横暴こそ、許されてはならない。まだまだ根強く残る日本人の全体主義思想と、休むことへの罪悪感をあらわにした出来事のように感じる。

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最終更新:5/21(火) 6:01
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