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クロップの運か、ケインの帰還か。CL決勝の趨勢を決める重要な要素。

5/21(火) 17:01配信

Number Web

 たったひとつしか負けていないのに、失点22はリーグ最少なのに、リバプールはプレミアリーグで優勝できなかった。ビルヒル・ファンダイクが年間最優秀選手に輝き、サディオ・マネとモハメド・サラーが揃って得点王を獲得したにもかかわらず、イングランドの頂点には立てなかった。

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 「美しすぎる敗者」

 「史上最も価値のある2位」

 「ヤツらは最高だ」

 各方面からリバプールの善戦を称える声が聞こえてくる。マンチェスター・シティとのマッチレースは究極のレベルと極上の興奮を伴い、アタッキング・フットボールの魅力を世界中にアピールした。惜しくもタイトルに手が届かなかったとはいえ……。

リバプールはまだ何も手にしていない。

 そう、今シーズンのリバプールはまだ何も手にしていない。誰もが納得し、絶賛するパフォーマンスであっても、最終的な答には行きついていない。ここが彼らのジレンマだ。

 昨シーズンもチャンピオンズリーグの決勝に進出しながら、レアル・マドリーに敗れている。高いインテンシティで主導権を握ったものの、最終的には1-3で屈した。今シーズンのプレミアリーグも含め、なぜリバプールの努力は実を結ばないのだろうか。

 とにかく、チャンピオンズリーグは絶対に勝ち取らなければならないタイトルだ。仮に敗れるようだと無冠に終わる。プレミアリーグで歴史に残るシーズンを過ごし、チャンピオンズリーグ準決勝でバルセロナに奇跡の逆転勝ちを収めたにもかかわらず、優勝カップを掲げられないなんてあまりにも不条理だ。神様を疑いたくなる。

 2018-19シーズンのリバプールは最高にカッコいいチームだが、タイトルを獲らないといつか忘れられる。その美しい想い出を永遠に記憶するためにも、チャンピオンズリーグは是が非でも手繰り寄せなければならない。

トッテナムの不安要素は両SB。

 リバプールが決勝で相まみえるのは、同じプレミアリーグのトッテナムだ。リーグでは今シーズンもホーム、アウェーともに2-1で退けている。クロップ体制下の4シーズンの戦績も3勝4分1敗。ただ、3勝のうち2回が1点差であり、試合終盤にゴールが決まる劇的な展開の連続だ。両チームの間に大きな実力差はない。

 リバプールがバルセロナ戦で奇跡を演じたように、トッテナムも準々決勝のシティ戦、準決勝のアヤックス戦をドラマティックな展開で勝ち抜いてきた。左足首の負傷で大詰めの6試合を欠場したハリー・ケイン、疲労のために動きが鈍ったヤン・ベルトンゲン、トビー・アルデルバイレルトも、体調を整えて決勝の舞台に立つ公算が大きい。

 しかし、トッテナムは両サイドバックに不安がある。

 ロシア・ワールドカップの疲労を引きずったキーラン・トリッピアーは精彩を欠き、マウリシオ・ポチェッティーノ監督の信頼を失う期間もあった。ただ彼に代わる右サイドバックは戦術理解力に難があるセルジュ・オーリエだ。左サイドバックのベン・デイビスは堅実だがスピードは並で、ダニー・ローズは、クロスに雑さがある。

 一方、リバプールの両ウイング、マネとサラーの破壊力は世界でもトップランクだ。ファンダイクが操る絶妙のフィードも含め、トッテナムの両サイドを自陣にくぎ付けすることも可能だ。

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最終更新:5/21(火) 18:16
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