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人生100年時代 定年後はお金を増やさない「撤退戦」も選択肢に

5/22(水) 16:00配信

マネーポストWEB

 政府の懸命の旗振りですっかりおなじみになった「人生100年時代」。都内在住の67歳男性は「しんどい時代ですよ」とつぶやく。

「定年後は悠々自適を夢見ていましたが、実際には到底無理。政府は“死ぬまで働け”という方針だし、老後の生活が年金だけでは心もとないので、可能な限り働くつもりです」

 だが、この男性の考えは収入面で考えれば正解とはいえない。生活費確保ために働いたのに、「働き損」となることがあるからだ。ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏が話す。

「確かに定年後も継続雇用を受けることで収入は得られますが、現役時代より給料は激減します。しかも税金や社会保険料がドーンと天引きされるので手取りは一層少なくなる」

 たとえば65歳から75歳まで会社に継続雇用されて、月収20万円で働く場合、10年間で計2400万円を稼ぐ計算となるが、この間に天引きされる税金と社会保険料はざっと460万円になる。長く働くほど生涯収入は増えるが、その分「徴収されるお金」も多くなるのだ。

 一方、65歳でスパッとリタイアして年金生活に入った場合、条件を満たせばこんな“特典”を得られる。その境界線は、「年金211万円」だ。

「大都市居住の65歳以上の夫婦世帯で夫の年金が211万円以下であり、かつ妻が専業主婦であれば住民税非課税となります。この場合、社会保険料の負担も激減し、年間で10万円ほど安くなるケースもある。さらに、医療や介護などで様々な恩恵を受けられます」(同前)

 自治体によっては、検診などの割引や入院時食事代、介護施設居住費・食費の軽減などを設けているところもある。

 前述のケースのように定年後も長く働いて数百万円を国に吸い上げられるより、収入は年金だけでも住民税が非課税のため手取りが増え、様々な軽減措置を享受でき、体力的にも辛くない無税生活者のほうがメリットは大きいといえそうだ。

 年金収入が211万円を少しだけ超える場合は、こんなテクニックもある。

「繰り上げ受給を選べば支給額が減り、年金を211万円以下に抑えることができます。65歳の年金受給額が220万円の場合は64歳3か月、250万円の場合は62歳4か月から繰り上げ受給を選択すれば、ともに年金額は210万円になる計算です」(同前)

 人生100年時代、お金を増やさないことで乗り切る「撤退戦」も選択肢に入れておきたい。

※週刊ポスト2019年5月31日号

最終更新:5/22(水) 16:00
マネーポストWEB

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