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作家・中島京子×監督・中野量太対談 「認知症の父が見せた気遣い」と「家族」の可能性〈AERA〉

5/24(金) 8:00配信

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中島京子(以下、中島):自分の小説を映画にしていただくときは、「可愛い娘を嫁に出す父のような気持ち」なんです。こういう表現はジェンダーバイアス的によくないでしょうか(笑)。自分の手元から離れて、新しい家の人に「大事にしてください」と願うような心境です。今回、中野監督の映画を観て、小説を大事に扱ってくださっているな、と思って、とても嬉しかったです。

中野量太(以下、中野):そう言っていただけるとホッとします。小説はある家族の10年間を描いていますが、映画では7年間にギュッと濃縮したように、映画として成立させるために変えているところもあるので。

中島:私が小説を書くときに大切にしているのが、ユーモアの要素を入れることです。病気は本人だけでなく家族にとっても、大変な状況なのですが、距離を取ってみると、深刻なだけではなくて、ちょっとおかしく思えたり、笑っちゃうような出来事もあるんですよね。そうしたユーモアの感覚が、中野監督と近いのかな、と感じました。

中野:人間が一生懸命に何かをしていると、どこかおかしみが生まれますよね。そういう笑いは、人間の可愛らしさでもあるし、共感を呼ぶんじゃないかと思います。僕も大事にしている部分です。

──お二人とも、よく家族を描いているという印象があります。

中島:なぜかそう思われることが多いのですが、実は自分では一人でいる人や家族ではないつながりについても多く書いてきたつもりなんです。長く独身でいて、今は結婚していますが、子どもは持っていませんし、「家族のことは家族持ちの方に書いていただいて」という気持ちがありました。そもそも自分について書くのは苦手だから、家族の話を書くつもりもなかったんです。

 ただ、父が認知症になって、その症状がとても興味深かったので、書かざるを得ないという気持ちになっていったんですね。ですから『長いお別れ』を書くのは、私にとって特別で、面白い経験でした。

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最終更新:5/24(金) 8:00
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