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小島健輔が提言『オフプライスストア革命が迫る』

5/22(水) 5:00配信

商業界オンライン

 過剰供給で値引き販売が常態化し過半が売れ残るわが国のアパレル流通だが、大差ない状況の米国では明快な答えが出ている。オフプライスストア(OPS)がその回答で、OPS上位3社合計売上高は15年(16年1月期)に百貨店上位3社合計売上高を抜いて18年は3割も上回り、OPSの衣料・服飾雑貨市場に占める売上げシェアは百貨店(14%弱)を引き離して17%に迫っている。

 

ブランド購入の大半はオフプライス

  OPS上位3社(TJX/ロス・ストアーズ/バーリントン・ストアーズ)は18年(19年1月期)も増収増益で、合計売上高は606.4億ドルと百貨店上位3社(メイシーズ/ノードストロム/ディラード)合計の468.1億ドルを29.5%も上回った。ノードストロムの売上げには246店を展開するOPS業態「ノードストロム・ラック」の51.8億ドルを含むから、それを移行すればOPS上位4社売上高は658.2億ドルと百貨店上位3社売上高の416.3億ドルを6割近くも上回る。メイシーズもOPS業態「バックステージ」(売上非公表)を172店(うちメイシーズ内165店)も展開しているから、OPSと百貨店の売上格差はさらに開く。

 百貨店が扱うブランドとOPSが扱うブランドはイコールではないが、ハイブランドの一部を除けば限りなく重複している。百貨店売上総額とOPS売上総額のシェアはほぼ45対55というオーバーバランスまできており、百貨店もセールを乱発しているからプロパー価格での販売を半分と見るなら、ファッションブランド商品の8割近くがオフプライスで買われている計算になる。全てが大幅値引き販売のOPSは数量ベースではさらに高シェアなはずで、もしかすると9割近くがオフプライスで買われているのかもしれない。

 この計算にはブランドメーカーが直販するアウトレットストアの売上げは入っていないが、卸比率が高いブランドは余剰在庫を処分するアウトレットストアをプロパー直営店以上に展開するケースが多く、「ラルフローレン」はプロパーの直営店111店に対してアウトレットの「ポロ・ファクトリーストア」を290店も展開している(19年3月期末)。

 百貨店のキックオフやセールはもちろん、フラッシュセールサイトやOPSにアウトレットストアまで含めれば、米国ではファッションブランドを定価で購入するのは少数派で、大半は何らかのオフプライスで購入していると見るべきだろう。

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最終更新:5/24(金) 18:09
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