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結局、幼児教育って何をするのが良いの?世界一子どもが幸せな国で考える【オランダ発スロージャーナリズム】

5/22(水) 12:03配信

FINDERS

日本とオランダの大きな違い

さて、今回は「オランダの幼児教育について書くのはどうでしょう?」という話をもらったところから始まったのですが…。「吉田さん、保育士だし説得力があると思うんで」ということだったんですが、実は今回、この話を書くのは非常に困りました。

ご存知の方も多いと思いますが、かつて行われたユニセフの調査でオランダは「子どもが世界一幸せな国」となりました。それ以来、その秘密を探りに日本からも多くの教育関係者、政府関係者などが訪れています。

実際、子育てを理由にオランダに移住した筆者の感覚としては、もう日本には戻れないな、というのが正直な感想です。つまりそのくらい、子育てをする環境としては恵まれていると思います。堅苦しさが微塵もなく、とても自由で、かつ子どもに対しては社会全体が思いやりと余裕を持って接していることが、はっきりと実感できます。子育て生活が非常に楽で、子ども自身もおそらく全くストレスがないと思います。こういう環境に慣れてしまっているので、「日本には帰れない」「日本ではやっていけないだろうな」と思ってしまうのです。もちろん、それでもオランダには、ストレスを抱えている子どもは思いのほか、多くいるという調査もあります。

しかし、ここでハタと思い悩んだのは「子育て環境が良い」ということは、必ずしも「幼児教育が良い」「幼児教育が進んでいる」というわけではないからです。むしろオランダの場合、いわゆる「幼児教育」はありません。そういう意味では、日本の方がかなり進んでいると思います。ただオランダ(というかヨーロッパ全体?)は、ハナから、先進的な幼児教育を普及させたり、誰もが競って幼児教育を行うという方向性は明らかに目指していません。ここに根本的な違いがあります。

ということで、オランダの幼児教育について書くことに困ったのです。

遠足の付き添いもストレスフリー

ちょうど良い具体的な例があります。それは先日、5歳の次男の遠足に付き添いで行った時のことでした。もともと平日にクラス単位で行われる、遠足の保護者による付き添いボランティアは大人気。時には抽選になることもあります。まあ、気軽な授業参観みたいなものでしょうか。これは、うちの子どもが通う学校だけでなく、オランダの学校でわりと広く行われているようです。

今回は、2週間前くらいに「次回の遠足にクルマを出せる人いない?」とのお尋ねがありました。たまたまタイミングが合わなかったのか、珍しくどの保護者からもヘルプがなかった様子。直前にもう1回お尋ねがあったので、「オランダ語、あんまり喋れなくても良いなら、クルマ出せますよ」と返信したところ、「ぜひお願い!」とのことで、遠足付き添いボランティアが決定しました。

「生徒が保護者のクルマに乗って遠足に行く」なんてこと自体、このご時世、日本ではあり得ないですよね?それこそ、事故が起こった時に誰が責任を取るんだ?とか、生徒を乗せるための運転の資格はあるのか?チャイルドシートはどうするんだ?とかの安全上の問題。他にも、数人の生徒だけが自家用車に乗るのは平等じゃないのでは?などなどの議論が起こりそうで…。

オランダでは、もちろんこんな議論は全く起こりません。まあ、クルマで15分という近場でもありますが…。逆にこんなことを日本で言ったもんなら、「距離の問題ではありません」と一刀両断されますね。はい。すいません。

ということで、このようなゆるいやりとりが先生との間で行われた後、いざ、遠足に行ってみました。自分のクルマに先生と次男と、クラスメートを乗せて。

実は筆者は、遠足の付き添いは長男のクラスで経験済み。その時の経験から、準備も特に必要なく、付き添いで行ったとしても特別することないのも知っているので、今回は勝手にカメラ係になりました。

これまた仮に日本で遠足について行ったりして、勝手に子ども達の写真を撮ったりすると、今時分は大問題になるかと思いますが、そういうことも一切なし。撮った写真をファイル共有ソフトを使って先生に送り、そして先生が「ビューティフルな写真をたくさん撮ってくれたよ!ありがとう!」と言って、同じくファイル共有ソフトを使ってクラスに配布。後日、学校に送り迎えで行くと、他の保護者達がみんな「写真、ありがとう!」と言ってきて、以上終了です。

一事が万事、このノリなので非常に楽なのです。普段、ママさん達は痛感していると思いますが、こうしたなんでもないことを、何の問題もなくストレスなくできることは、子育て環境的には非常に大切ですよね。オランダの子育て環境が良い、というのは実はこうしたことを言っています。何も特別なことがあるわけではないのです。

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最終更新:5/22(水) 12:03
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