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【ドイツ人記者コラム】「誰もうまく付き合えていない」VARと“ハンド問題”の根本を考える

5/22(水) 12:33配信

footballista

ドイツサッカー誌的フィールド

皇帝ベッケンバウアーが躍動した70年代から今日に至るまで、長く欧州サッカー界の先頭集団に身を置き続けてきたドイツ。ここでは、今ドイツ国内で注目されているトピックスを気鋭の現地ジャーナリストが新聞・雑誌などからピックアップし、独自に背景や争点を論説する。

今回のテーマは、シーズンを通して各国で議論を呼び続けたハンドのジャッジについて。VARによる判定の複雑化や競技規則改訂より来季から施行される新ルールに対する反応、そして問題の根本を探る。

文 ダニエル・テーベライト
翻訳 円賀貴子


 CLラウンド16、マンチェスター・ユナイテッド戦第2レグのアディショナルタイム。パリ・サンジェルマンの敗退を決めたのがピッチ上にいない審判であったことに憤慨したネイマールは、Instagramに「屈辱だ」と投稿しVARを罵った。

 PSGのDFプレスネル・キンペンベの腕にまったく“害のない”相手のシュートが当たりCKに。当初はそのままCKでプレーが再開するかと思われたが、VARが介入しPKという判断が下される――今日のサッカーにおける最大の問題の一つが、端的に現れたシーンだった。

VARの問題、ではない

 審判たちは、ハンドとの上手な付き合い方を見つけられないのだ。そして、VARはこの問題を解決するどころか、かえって難しくさえしている。

 ピッチにいる審判の判定が“ブレる”くらいなら、まだ許すことができた。だが、映像を観ているVAR担当審判が似通ったシーンで違ったジャッジを下すのは、非常に腹立たしい。

 「この議論は疲れるどころか、耐えがたくなる寸前だ」と『ベストドイチェ・アルゲマイネ』紙。ブンデスリーガでは進歩らしい進歩がないまま、この問題を2年も抱えてきている。

 なお、昨年のロシアW杯決勝フランス対クロアチア戦でのペリシッチのハンドの時も、VARは絶対に介入してはいけなかったであろう。

 この難題について、「ビデオ判定ではなく、ハンドの定義それ自体がこのスポーツ最大の問題であり、毎週のように観客と監督たちを狼狽(ろうばい)させる」と指摘するのは『南ドイツ新聞』だ。莫大な額の金に名誉、将来の懸かる重要な試合の一場面を“一瞬で”判断しなければならないというのは、審判にとって過大な要求となることしきりである。そして、その議論の多くは「選手が故意に手や腕でボールに触ること」を罰するハンドリングにまつわるものだ。

 事態は急を要することを国際サッカー評議会(IFAB)も認識した。ゆえに、来シーズンからの競技規則改訂に踏み切ったのだ。

 新ルールでは、腕または手が肩より高い位置でボールに触れた場合はほぼハンドとなる。例外は、ボールがその前に身体の別の場所に当たった時、または相手によって故意にボールへと触らせられた時、避けようとして腕が肩より上に上がってしまった時。また、攻撃側が有利になる場合、故意でなくともファウルとなる。例えば、偶然に手や腕で得点を決めてしまった時やビッグチャンスに繋がった時などが該当する。逆に、守備側の選手が故意でないハンドによって有利になる場合にはファウルとならない。

 しかしながら、この改訂に対する反応は芳しいものではない。

 「今回の変更がさらなる議論を導くであろうことは、現時点ですでに明らかだ……これらのルールはプロサッカーはもちろんのこと、特にユースの試合、アマチュアリーグ、世界の草サッカーにおいて、判定をめぐる争いを増やすことになるだろう」と『FAZ』紙が推測すれば、元国際審判のウース・マイヤーは「故意のハンドの明文化を試みる一方で、選手の自然な動きの流れを見分ける審判の目を養う訓練を怠ってきた」と批判的な見解を示す。

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最終更新:5/22(水) 12:33
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