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「選択肢を消す」ファン・ダイク。リアクションじゃない対人守備とは?

5/22(水) 19:37配信

footballista

林陵平のマニアック技術論 Vol.4

海外の有名どころからマイナー選手まで幅広く網羅したゴールセレブレーションで話題になった東京ヴェルディの林陵平は、自他ともに認める「JリーガーNo.1の海外サッカーマニア」だ。そんな彼が“今見ておくべき選手”のスキルを徹底解剖。今回はプレミアリーグMVPに輝いたリバプールの守備の要ファン・ダイクの「対人守備」について。

取材・構成 浅野賀一


Virgil VAN DIJK
フィルジル・ファン・ダイク(リバプール)
1991.7.8(27歳) 193cm / 92kg DF NETHERLANDS


 自分はFWなのでCBとは常に対峙する立場なんですが、まず何を見るかと言えば「立ち姿」なんですね。「この選手、自信満々だな」とか(笑)。ファン・ダイクは画面越しにもそれが伝わり過ぎるくらい伝わってきますし、“どっしり感”があります。どっしり感というのは自信だったり、軽々しいミスをしなかったり、失点したら仲間を励ましたり、逆に軽いプレーをした味方に怒りに行ったり……そのすべてが含まれているんですが、一言でいうとCBとしての覚悟が素晴らしい。このレベルのCBになると、FWはちょっと勝てる気がしなくなると思います。

 まず基本ですが、ロングボールの競り合いに強くて、ボールを跳ね返してくれます。前にいる選手にとってこれが大きくて、競り合った時に「後ろにこぼれそうだな」と感じたら一度戻らなければなりませんし、全体のプレーエリアが押し下げられます。その分体力も使いますし、嫌ですよね。その点、ファン・ダイクみたいな選手が後ろにいれば前で信じて待っていられます。

 190cm以上の高さがあるのはもちろん大きいんですが、それ以上にボールの落下点に入るのが早いし、飛ぶタイミングもいい。CBとFWの空中戦の競り合いって、CBに先に飛ばれてしまうと負けなんです。上に乗っかられるともう勝てないですし、そこから無理に押しのけようとするとファウルを取られる。だから先に落下点に入って先に飛びたいんですが、うまいCBはなかなかそれをやらせてくれない。ファン・ダイクはそのスペシャリストですね。

 読みの良さはディフェンス全般にも言えて、ゴール前のクロスのポジショニングも素晴らしい。DFは、ボールとマーカーを同時に視野に収めなきゃいけないので横からのクロスにはボールウォッチャーになることが多くて、僕は“そのポイント”を狙っています。FWにとってはその点が取れるポイントを嗅ぎ分けられるのが能力ですが、DFにとっても同じでそこを消せるのがDFの才能です。ファン・ダイクは一番危険な場所を消すのが天才的にうまくて、常にそこにいるんです。当たり前のようにプレーしているので普通に見えちゃうかもしれませんが、ボールの位置、敵の位置、味方の位置を瞬時に判断して、一番危険な位置に立ち続けられるのは本当に凄いことで、しかもファン・ダイクは最後にボールに足を出してくるので、これは攻略できないなと(苦笑)。

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最終更新:5/23(木) 18:27
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