ここから本文です

ロシア爆撃機がアラスカに接近、米戦闘機がインターセプト

5/22(水) 16:39配信

ニューズウィーク日本版

<米露国境に近いアラスカ沖の上空でロシアの爆撃機が発見され、米軍の戦闘機が追跡した>

核爆弾を搭載できるロシア軍の爆撃機がアラスカ沖を飛行し、米空軍のジェット戦闘機が迎撃態勢に入っていたことがわかった。

「米露の軍事力比較、2019」スライドショーを見る

ロシア国防省は5月21日、声明を出した。「ロシア空軍の戦略爆撃機Tu-954機が、予定通り出撃した。飛行範囲はチュクチ海、ベーリング海およびオホーツク海の公海上に加え、アラスカ州西岸およびアリューシャン列島の北岸沿に及んだ」

これらの爆撃機は12時間以上にわたって飛行し、「一時、米空軍のF-22ジェット戦闘機の追跡を受けた」。

ロシア国防省はさらに、「長距離を飛ぶパイロットたちは常々、北極海、北大西洋、黒海およびカスピ海、太平洋などの公海上を飛んでいる」と述べた。「他国の領空を侵犯することなく、国際空域管理システムを厳密に順守している」としている。

この一件は、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)によるソーシャルメディアへの投稿でも裏付けられた。NORADでは早期警戒管制機E-3(愛称:セントリー)を派遣し、監視を行ったという。さらにNORADは、ロシアのジェット戦闘機Su-35数機がTu-95に同行していたと指摘。これらのロシア機は、アラスカ沖の防空識別圏に進入したが、領空侵犯はなく、公海上にとどまったという。

NORADは公式ツイッターアで、以下のように述べた。「NORADに所属する複数の戦闘機が5月20日、アラスカ州のADIZ(防空識別圏)に進入したロシア軍の爆撃機および戦闘機を追跡した。Tu-95爆撃機2機には、F-22戦闘機2機が対応した。その後飛来したTu-95爆撃機2機およびSu-35戦闘機2機に対しては、F-22戦闘機2機が追加で発進した。NORADのE-3が全般的な監視にあたった。ロシア軍の航空機は公海上空にとどまった」

■ここは米露の国境

さらにNORADは、同軍司令官テレンス・オショネシー空軍大将の発言を引用し、以下のように伝えた。「国民と基幹インフラへの脅威を防止し、撃退するには、未知の航空機を検知、追跡、識別することが重要だ。我々は毎日24時間、365日警戒にあたっている」

この海域は米露の国境地帯。アラスカとロシアの距離はわずか88キロほどで、島々はもっと接近している。アリューシャン列島の名で知られるベーリング海の島々は、東側がアメリカ領、西側がロシア領となっている。従って今回のような事例も初めてではない。2019年1月には、米軍のF-22戦闘機2機とカナダ軍のCF-18戦闘機2機が、ロシアの戦略爆撃機Tu-160をアラスカ沖上空で追跡した。2018年には、Tu-95がF-22に追跡される事例が少なくとも2件発生している。

一方、ロシア軍も、自国の空域に接近した米軍機に対してスクランブル(緊急発進)をかけている。3月には、北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国がロシアと接するバルト海上空において、米軍のB-52H戦略爆撃機に対して、ロシアのSu-27ジェット戦闘機2機が発進した。同じく3月には、バルト海上空を飛行していたRC-135偵察機に向けて、ロシアのSu-27戦闘機が緊急発進している。

(翻訳:ガリレオ)

トム・オコナー

最終更新:5/22(水) 16:39
ニューズウィーク日本版

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ニューズウィーク日本版

CCCメディアハウス

2019-8・27号
8/20発売

460円(税込)

【特集】香港の出口
拡大する香港デモは第2の天安門事件に? 中国「軍事介入」の可能性とリスク

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事