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いまニューヨークで話題、『キャンプ』展の見どころ。

5/22(水) 21:23配信

フィガロジャポン

ファッションの祭典「METガラ2019」の今年のテーマは「キャンプ」。例年にも増して過剰でセンセーショナルな衣装であふれ返った。その「キャンプ」をテーマに現在、メトロポリタン美術館で開催中の『キャンプ』展も刺激的な内容だ。ノンフィクション作家・ジャーナリストの朽木ゆり子が、この話題の展覧会の魅力を紹介する。

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毎年5月初めに開催されるニューヨークのメトロポリタン美術館、コスチューム・インスティチュートの展覧会は、METガラとともに全世界で注目される。ファッション関係者だけでなく、アートやデザインに関心を持つ人にとってこの展覧会の展示デザインの斬新さは見逃せないものだからだ。

今年のテーマは『キャンプ:ファッションについてのノート(Camp: Notes on Fashion)』。約250点のドレスやアクセサリーが、前半はサーモンピンクの背景で、後半はキャンディを思わせるような照明の中で展示されるファンタスティックな展覧会となった。

ところでキャンプとは何だろう? キャンプは、評論家のスーザン・ソンタグが「キャンプについてのノート(Notes on Camp)」で論じた美意識。一言で定義するのは難しい(実際、ソンタグもキャンプについて58通りの説明をしている)が、誇張、皮肉、あるいは倒錯とさまざまな理由で歪められた不自然な美的感覚を指している。難しく考えなくても、シェール、レディー・ガガ、ビョーク、リアーナといったセレブたちのファッションや行動がキャンプ、と思ってもらえばいい。お行儀のよさよりも遊び心を優先するのがキャンプだ、という言い方もできる。

キャンプとは、既成概念を超えて生まれるもの。

展示は、キャンプの源流であるルイ14世の女装的要素が強いファッションからスタートする。その後、19世紀イギリスのゲイカルチャー、1920年代のギャッツビー的世界、そして60年代のヒッピー・アングラ文化など、キャンプ的美学を持ったファッションが並ぶ。だんだん、キャンプとは既成概念に逆らうところから生まれるものだということもわかってくる。

しかし、クライマックスは最後のギャラリーだろう。体育館ほどもあるスペースにレインボーカラーの2階建てブースがずらりと並んでいて、思わずクラクラッとする。

展示デザインも遊び心全開だ。ドレスは皮肉、模倣、ユーモア、パロディといった18のテーマ別に展示されており、作品はシャネル、バレンシアガ、グッチ、サンローラン、アルマーニ、ガリアーノ、アレキサンダー・マックイーン、メゾン マルジェラ、ボブ・マッキー、サラ・バートン、ヴァージル・アブロー、川久保玲、高橋盾、トモ コイズミなど約60組。ひとつひとつ観ていると時間がいくらあっても足りないほどだ。

フロアの中央に並んでいるボックスには、ヘッドピースや靴、小物類が展示されており、その自由な発想と奇抜な形に思わず笑ってしまう。キャンプとは、既成概念にとらわれないクリエイティブな精神を指しているのだ。

朽木ゆり子

最終更新:5/22(水) 21:23
フィガロジャポン

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