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すでに始まっている「宇宙人とのコミュニケーション」

5/22(水) 6:05配信

幻冬舎plus

縣秀彦

「人類が21世紀中に、地球以外の星で生命を見つける可能性は50%以上」。こう断言するのは、国立天文台の縣秀彦氏だ。地球外生命は人類のような生命体なのか? それともはるかに進化した生命体なのか? そもそも生命はどのように誕生するのか? 人類究極の謎に迫った縣氏の著書、『地球外生命は存在する!』の一部をご紹介します。*   *   *

宇宙人からの電波信号を発見? 

実はかつて、宇宙人からの電波信号を見つけたと天文学者が色めき立ったことがあります。1967年、英国ケンブリッジ大学の大学院生ジョスリン・ベルが、ある方向から規則的に変化する強い電波信号(パルス)を捉えたのです。それまでに発見されていた自然電波は、信号の強さが急激に変わることはなかったため、この未知なる信号の正体は謎に包まれていました。

当時、電波望遠鏡で宇宙を観測することは、まるでピンボケ状態で宇宙を見ているようなもので、データを取得するには膨大な時間が必要でした。しかし、ベルの根気強い追跡観測によって、この電波は1時間に15度の割合で東から昇って西に沈んでいることがわかりました。

つまり、星と全く同じ動きをしていますので、地球の自転によって動いている現象、すなわちこれは地上からの人工電波ではなく、宇宙のどこかから発信されている電波であることは間違いないという見解に至ったのです。

このパルス信号を発見した当初、彼女の指導教官であるアントニー・ヒューイッシュはじめ関係者は、これほど規則正しく発せられる電波は人工電波としか考えられないと、この電波を発する知的生命体を仮に「緑の小人」と名づけました。

しかし、コロンブスのアメリカ大陸発見を凌ぐようなこの大発見を公表すべきかどうか、ヒューイッシュたちはとても悩みました。

宇宙開発が始まった1960年代は、空の上を移動する人工物(飛行機、ロケット、人工衛星など)が急激に増えたと同時に、いま以上にUFO目撃談が多く、人々が空を見上げる機会も増えた時代です。このため、UFOが宇宙人の乗り物と信じる人も多く、もしヒューイッシュらが緑の小人の存在を発表したら、大パニックが起こる危険性があったのです。

その後数カ月間、この天体を慎重に観測した結果、宇宙のどの方向からの電波かが詳しく同定されました。こぎつね座の方向から発せられたこの電波は、とてもコンパクトな天体、すなわち「中性子星」が1秒間に30回もの高速で自転することによって生じるパルス信号だと、ヒューイッシュは確信しました。

つまり、宇宙人の発信する人工電波ではなく、中性子星という特殊な星が放つビーム状のパルス信号なら観測結果とつじつまが合うと結論づけたのです。

いまでは、中性子星は電波のパルスを出す天体という意味で「パルサー」とも呼ばれています。太陽の10倍以上30倍未満の質量を持つ恒星の最期の姿がパルサーです。

なお、この発見でノーベル物理学賞を授与されたのは、発見者のベル女史ではなく、指導教官のヒューイッシュ教授のみでした。この受賞者の選考が正しかったのかどうかは、いまでも議論が分かれるところです。

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最終更新:5/22(水) 6:05
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