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「こんな時代に産むのは子どもが可哀想」反出生主義の人に私が伝えたこと

5/22(水) 14:30配信

webマガジン mi-mollet

 春に日本へ一時帰国していた時、小島慶子さんらとのトークイベントの場で、参加者の方から次のような質問を受けました。

「私は反出生主義です。こんなクソみたいな世の中で産んだら子どもが可哀想だと思うからです。スピーカーの皆さんは全員お子さんがいらっしゃるとのことですが、どうして子どもを産もうと思われたんですか?」

私が第一子を妊娠したのは2011年。東日本大震災の記憶も新しく、取材で担当していた医療保険や社会保障は先が見えない。こんな世の中に子どもを産んでも大丈夫か、苦労ばかりかけてしまうのではという思いは確かに頭をよぎりました。

また、第一子は男の子ですが、その当時はとりわけ自分自身が女性の働きにくさに直面し、絶望的な気持ちになっていた時期でもあったため、女の子ではなかったことに内心ホッとした側面もありました。

でも同時に、少しでも世の中がましになるように自分や、自分たちの世代ができることをしたい、すればいい、とも思っていました。第二子は女の子でしたが、彼女を妊娠した頃には女性がもっと生きやすい世の中にしたいという思いは固まっていたので、性別がどちらであれ、心配する気持ちは縮小していました。

通っていた中学校が子どもたちに林間学校のルール決めを任せてくれるようなところだったせいか、私には「既存のシステムやルールが絶対」という発想があまりありません。もちろん自然災害など防ぎようがないこともありますが、おかしなルールがあれば変えて行けばいいし、「クソみたいな」システムは見直していけばいいんじゃないかなと思っています。トークイベントの場では、そんな回答をしました。

 最近、車の暴走などで子どもが亡くなる事故や事件のニュースが相次いでおり、本当に胸が痛みます。私たち大人が1つずつ安全・安心に近づけていく努力をしないといけないと思います。

「こんな時代に子どもなんか産めない」と思うのももっともかな、と感じる社会の仕組みも実際に多いです。共働き家庭は疲弊し、結婚や出産などで一旦仕事を辞めた女性の再就職先はパートが大半で、低賃金に甘んじざるを得ない。正社員になる男性は減り、正社員になったらなったで過労、企業内で互いをしばりつける規範、意にそぐわない転勤、そして転職への踏ん切りのつかなさ――。

平成は昭和のシステムを引きずりつづけた時代だと感じています。令和に入り、こうした枠組みも見直していかないといけない。ここ最近「終身雇用が保てない」という発言が経済界から出ましたが、ならばこれからどのような時代を子どもたちに引き継いでいくのか。本気で考えないといけないと思っています。

中野 円佳

最終更新:5/22(水) 14:30
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