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なぜ人は「スジの悪い戦略」に振り回されるのか

5/22(水) 5:30配信

東洋経済オンライン

「細分化が進む業界で全分野に通じているのは、顧客にとっていいこと。問題は総合的なスキルを活かしていない点だ。統合化を進め、顧客向けソリューションを提供する」
基本方針
課題を見極めた後は、大きな基本方針を示すことだ。ガースナーは「顧客向けにオーダーメイドのソリューションを提供する」という方針を明確に示した。
行動
基本方針を実行するために、一貫性をもって具体的に行動する。ガースナーは、サービス事業とソフトウェア事業を強化し、それまでのIBMのタブーを破り、顧客が必要とするのならば他社製品も取り扱うようにした。

 このように戦略で必要なことは、問題を真正面から見据え、分析し、「やること」と「やらないこと」を選択し、明確な方針にしたうえで、具体的な行動につなげることだ。

 ときどき「戦略はよかった。実行がダメだった」と言う人がいる。しかしそれはそもそも良い戦略ではない。良い戦略には、明確な行動の指針も含まれる。

 そもそも戦略とは仮説である。優れた科学者は、知識をしっかり押さえたうえで、その先にある未知の世界を解き明かすために仮説を立てて、その仮説が正しいかを実験する。

 ビジネスも同じだ。良い戦略とは「こうすればうまくいくはず」という仮説なのだ。未知の世界に踏み込むため、知っていることを基に仮説を作り実際に試して検証する。

 スターバックスは、シュルツがミラノでエスプレッソバーの感動体験をしたことが出発点だった。

 「このエスプレッソ体験は、薄くまずいコーヒーを飲むアメリカ人に人気になるはず」と仮説を立て、アメリカで小さなエスプレッソバーを開店し、顧客の反応を観察しながらアメリカ人の好みに合わせて進化させたのがスターバックスの始まりである。

■戦略思考に役立つ3つのテクニック

 このように「仮説 → データ → 新たな仮説 → データ → ……」と繰り返される学習プロセスが必要なのだ。この戦略思考に役立つ3つのテクニックがある。

テクニック1:核になる考え方に常に立ち返ること
 つねに「診断・基本方針・行動」の3要素に立ち返る習慣を身につければ、戦略が脱線することがなくなる。最初から3要素をすべて考えられなくても、1つだけでも思いつけば、ほかの2つへと思考が広がるはずだ。

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最終更新:5/22(水) 8:08
東洋経済オンライン

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