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競馬を変えたノーザンファーム天栄。休み明けをプラスにする最強の外厩。

5/22(水) 11:31配信

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 「天栄ホース」という言葉が、昨年の秋ごろから、一部の競馬ジャーナリストの間で使われるようになっている。

【写真】これは凄い! ノーザンファーム天栄の全貌。

 そう、レースとレースの合間の調整を、福島の「ノーザンファーム天栄」で行っている馬たちのことである。昨年、アーモンドアイやブラストワンピースなど、間隔をあけながら使われる馬が大舞台で立てつづけに結果を出し、注目されるようになった。

 ノーザンファームの生産馬は、今年3月31日の大阪杯から先週のオークスまで、JRA平地GI7連勝という、とてつもない強さを見せている。そのうち、年明け初戦となった桜花賞を中15週という最長間隔優勝記録で制したグランアレグリア、3カ月半ぶりの実戦となった天皇賞・春を勝ったフィエールマン、中8週のヴィクトリアマイルを制したノームコアが「天栄ホース」である。

 もっと言うと、天皇賞・春2着のグローリーヴェイズと、ヴィクトリアマイル2着のプリモシーンも、そうだ。

「魔法の施設」のように見えてくる。

 かつては、休み明けは当然割引で、叩き2戦目や3戦目が狙い目、というのが「競馬の常識」だった。が、今は逆に、ノーザンファーム天栄に放牧に出てからぶっつけで走るほうが好結果を出す、という印象さえある。

 今使った「ぶっつけ」という表現も、これまではマイナスの意味合いで用いられていたのだが、「天栄ホース」の躍進により、そのニュアンスが変わりつつある。

 何やら「魔法の施設」のようにも見えてくるノーザンファーム天栄がメディアに頻出するようになったのと同時に、場長をつとめる木實谷雄太氏も、テレビの競馬番組にゲスト出演するなど「時の人」になっている。

 ノーザンファーム天栄とはどんな施設なのか。好奇心に駆られ、現地を訪ねた。

立地も環境もとにかく最高。

 東北新幹線の新白河駅から車を30分ほど北東に走らせた山あいの地にノーザンファーム天栄はある。敷地から東北新幹線が見える。ということは、新幹線の車内からも、ほんの少しの間だが、ここが見えるのだ。

 ここにいる馬のほとんどが、茨城の美浦トレセンの厩舎に所属する関東馬だ。美浦トレセンからは自家用車だと2時間半ほど、馬運車だと3時間半から4時間ほど。北海道からも、輸送熱が出づらい時間内に着くという。

 正門からスロープを上ったところに事務所があり、敷地全体が見わたせる。一周1200mの周回コースと、全長900mの坂路コースのほか、角馬場(かくばば)が2面ある。さらに、屋根付きのウォーキングマシーンやトレッドミルなどもあり、厩舎は15棟。トレセンの厩舎と違って、厩舎を縦に貫く通路を挟んで馬房が並んでいるので、互いに顔が見え、馬が寂しがらない。馬房数は286。

 ノーザンファーム天栄は、「外厩」や「育成場」と呼ばれるトレーニング施設だ。

 取材した日が好天に恵まれたこともあるが、敷地に立ってまず感じたのは、「気持ちいい」ということだ。

 敷地全体が盆地のようになっており、坂路の向こうには遠く那須連峰が望める。

 人間が気持ちよく感じるのだから、馬もきっと同じように感じているのだろう。

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最終更新:5/22(水) 11:31
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