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BMWが高速道路渋滞時の「手放し走行」を今夏ニッポン導入。欧米「自動運転」の最前線

5/22(水) 6:40配信

週プレNEWS

東京・池袋で87歳の男性が運転する乗用車が暴走し、死傷者を出した。あらためて悲惨な事故を防ぐ"完全自動運転"を求める声が増している。自動運転の現状を、欧州車のスペシャリストであるモータージャーナリスト・竹花寿実(たけはな・としみ)氏に解説してもらった。

【図】自動運転のレベル解説表

■多方面に問題が山積する自動運転
──竹花さん、BMWがこの夏からニッポン市場に「ハンズ・オフ機能付き渋滞支援機能」を搭載したモデルを導入すると発表しました。コレはレベル3の技術なんですか?

竹花 アレはすでに実用化しているレベル2の進化版です。すでにアメリカや中国には導入されています。

──どういう機能なんスか?

竹花 高速道路上で前走車がいる状態で、車速60キロ以下の場合のみに起動できる運転支援システムです。ドライバーは常に前方に注意を払い、直ちにステアリング操作できる状態でなければなりません。

常にカメラでドライバーの視線が監視されていて、ヨソ見をすればすぐに警告を発します。なので、クルマが自律走行する自動運転ではありません。

──とはいえ、ステアリングから手を離してもOKというのは画期的スよ!

竹花 ええ。レベル3にまた一歩近づいたといえます。

──ちなみに欧州は電動化だけでなく自動運転の実用化にも積極的なんですか?

竹花 とても積極的です。欧州委員会は昨年5月に完全自動運転社会を2030年代に実現するためのロードマップを発表しました。まずは、2020年代に都市部での低速自動運転を可能にすることを目指しています。

──なぜわざわざロードマップを発表?

竹花 自動運転社会への移行を早期に進めることで、国際ルールの主導権争いを有利に進めたいと考えているんです。

──アウディはすでに、技術的にはレベル3の自動運転技術を実用化していませんでしたっけ?

竹花 「アウディAⅠトラフィックジャムパイロット」のことですよね。高速道路を60キロ以下で走行する際にレベル3の自動運転を可能にするもので、本来ならば現行A8に搭載されるはずでしたが、現時点で世界のどの国にも導入されていません。

──それはなぜスか?

竹花 技術的には完成しているはずです。問題は各国の法整備の遅れで、運転操作の主導権が完全にクルマ側に渡されるレベル3の自動運転は、日本が批准しているジュネーブ条約でも認められていません。国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)でも10キロ以下の自動操舵しか認められていないのです。

──逆に言えば、法整備さえ進めば即実用化できると。

竹花 そうはいきません。保険の問題も解決する必要があります。自動運転中に事故が起きた場合の責任はドライバーか、あるいは自動車メーカーか。その問題が解決できてない。実は自動運転は多方面で問題が山積しているんです。



■ニッポンの自動運転は世界に勝てるのか
──ズバリ自動運転の技術はどの国が進んでるんスか?

竹花 現時点で世界トップはアメリカ。テスラのオートパイロットがよく知られていますが、グーグル傘下のウェイモやGM(ゼネラルモーターズ)は、年内にもレベル4相当の車両で無人の自動運転タクシーサービスを開始するとアナウンス済み。コレに次ぐのがドイツ勢です。中国も急激に力をつけてます。

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最終更新:5/22(水) 6:40
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