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タキタロウ伝説に見られる幻の魚はイワナか?

5/23(木) 15:56配信

ルアマガ+

少年の頃、夢中になって読みあさった魚類図鑑に記載されていたイワナの説明にこのような一節があった。「人里離れた川の源流部に生息する幻の魚」。幻と知り、すぐにこの魚の虜になったことを覚えている。

鹿や鳥、大蛇を飲み込んだなど、イワナには数多くの言い伝えがあるが、有名な話に「タキタロウ伝説」が挙げられる。タキタロウとは山形県の山奥に存在する大鳥池に生息しているとされる巨大魚。目撃情報、言い伝えによると体長1.5~3mあると言われている。100年以上前の古い文献には「その大きさは5尺」との記載もある。その他にも大鳥池では謎の巨大魚の目撃情報がある。

何れにせよ、このタキタロウとよばれる巨大魚の正体はイワナではないかとの仮説が有力なのだ。

●写真・文 小林将大(こばやし・まさひろ)
北里大学水産学部出身。在学当時は学び舎のあった岩手県大船渡市三陸町で、鱒の生態を学び、釣りの腕を磨いてきた。現在はキャスティング八王子店のスタッフとしてトラウトギアを担当。DAIWAのトラウト製品開発にも携わっている。

実は海の近くに棲むイワナもいる

そう、今回のテーマはイワナについて。そもそも一般的にイワナはどのような生活を送っているのだろうか?

基本、イワナは冷水を好み夏でも水温が低い川の上流部で生活している。“基本“と記載したのは一部海近くの河口域で生息している個体もいるためだ。

私はイワナの虜になり、大学時代は岩手県沿岸で生活し、鮭鱒の研究をしていた。その地域は海から近い場所にイワナが生息する環境が多数存在していたのだ。初めて訪れ知ったときは「幼い頃読んでいた図鑑の内容と違う!」と驚いたものだ。

冷水を好むイワナの適水温は8~14℃と言われており、寿命は鮭鱒の仲間では比較的長く3~8年ほど。これに対してヤマメの寿命は平均3年、シロザケは平均4年であることと比べると長生きだということが分かる。体長は1年目で15cm、2年目で22cm、3年目で26cmくらいにまで成長。海に降りアメマスになる個体は8年目には80cmを越えるまでに成長する。

もちろん環境の違いで成長に差は生じてくる。養殖イワナなどは好条件で養殖すると1年目で20cm、2年目で35cm、3年目で45cmにまで成長するというデータもあるほどだ。いずれにしても、基本的には2~3年で成熟し産卵に参加するようになる。

また、産卵後も死なない個体が多いことがシロザケ等とは異なる部分である。産卵期は9~11月で細い支流などに上り産卵。ヤマメの産卵時期とイワナの産卵時期は重なるため、イワナは細い支流等で、ヤマメは本流の水量のある流れで産卵し、住みわけをしているイメージだ。

イワナとヤマメの掛け合わせ、『イワメ』や『カワサバ』と呼ばれる個体が多くみられる川は、堰堤が多い川であることが多い。これは産卵期にイワナが支流を目指して上ろうとしても越えることができず、ヤマメの産卵場所である流れで産卵せざるをえないからである。ヤマメの産卵場所で産卵行動をすれば必然と交配の確率が上がってしまうのだ。

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最終更新:5/23(木) 15:56
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