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米ドラ1・スチュワートがソフトバンクと契約合意。学ぶべき「選手ファースト」の姿勢、価値に見合った評価を得られる交渉を

5/23(木) 12:06配信

ベースボールチャンネル

 福岡ソフトバンクホークスが、2018年MLBドラフト1巡目指名(アトランタ・ブレーブス、全体8位)のカーター・スチュワート投手と契約合意を果たしたと米公式サイト『MLB.com』が報じた。今回の合意の陰には、代理人スコット・ボラス氏の存在がある。日本の選手にとっても、今後交渉の重要性は増していくことになるはずだ。

【動画】スチュワートの剛球

注目はエージェントの存在

 衝撃のニュースが飛び込んできた。

 ソフトバンクが、昨年のMLBドラフトでアトランタ・ブレーブスに1巡目(全体8位)指名されたカーター・スチュワートと契約合意を果たしたと、大リーグ公式サイトが報じたのである。最速160キロ近いストレートを投げるほどの逸材というから、本当に正式契約となれば、期待は高まるばかりだ。

 千賀滉大や石川柊太ら育成枠で獲得した選手を一流選手に育て上げるなど、ファームシステムがしっかりとしているソフトバンクがこれほどの逸材をどう育て上げるかは注目になる。世界へ向けた“育成力”のアピールという機会になることは間違いないだろう。

 一方、今回の出来事で注目したいのは、スチュワートの日本挑戦にはエージェントの存在が見え隠れしているという事実だ。詳細まではわからないが、敏腕代理人として知られるスコット・ボラス事務所(BORAS社)が日本をマーケットの一つと考えて、新たな選択肢を示してきたと見ていい。

 報道では、やり手の代理人であるボラス氏がスチュワートを含めた今後の交渉を円滑に運ぶための戦略だという見方も強いが、実際問題、今季からマリナーズに移籍した菊池雄星を例にとってみると、「高額契約を勝ち取るためには何でもする代理人」とだけでボラス氏を見るのは早計だ。ボラス氏の支援を受けた菊池の契約を見る限り、「高額要求」というよりも、選手ファーストな代理人という見方もできるからだ。

菊池雄星が勝ち取った契約

 周知のように、菊池はマリナーズと最大7年の大型契約を結んだ。

 4年目以降に再契約を含んだオプションとなるが、その契約条項の中に、菊池の体調面を慮った条件がはいっている。菊池は4月26日(日本時間27日)のレンジャーズ戦で1イニングのみの先発という異例の登板をこなしたが、その背景にはマリナーズ首脳陣の菊池への配慮もあるが、そもそも、年間のイニング制限を勝ち取った契約があるからに他ならないのだ。

 かつて日本の選手は多くが1年目からフル稼働を課せられ、体に異常をきたしてきた。菊池は日本での登板こそ、それほど多くないと言っても、中4日の登板間隔やマウンド、ボールへのアジャストを考えると、1年目からフル回転してしまうと、ショートしてしまう可能性もある。

 どれだけ配慮をしても故障は避けられないというのは事実であるが、選手を守る側の代理人としては、出来うる限りの対策を条項に入れたというのは、菊池の将来を考えてのことなのである。

 もちろん、クライアントである選手の中には「お金」が最重要なケースがないわけではないが、選手にとって何が第一かを基本線にしているのである。代理人とは決して金額交渉役だけではないのだ。

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最終更新:5/23(木) 13:48
ベースボールチャンネル

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