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無利子だと「贈与税」が!? 親族から金銭を借りる場合の注意点

5/23(木) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

親族間等において、無利子で金銭を貸与しようとする場合、その貸与が“贈与”とみなされて贈与税が課せられることのないよう、あらかじめ注意しておく必要があります。相続税やその税務調査の実態に詳しい、税理士の服部誠が解説します。

「無利子の金銭貸与」と贈与税について

たとえば、息子が飲食店を開業することになり、開業資金の一部を父親である自分が貸してあげようと考えているケースで見ていきましょう。

想定している金銭貸与の額が1,000万円程であった場合。親族間の貸し借りが贈与とみなされ、贈与税が課せられないようにするには、次の点に注意してください。

(1)無利子の金銭貸与等とみなし贈与

夫と妻、親と子、祖父母と孫など、特殊な関係がある者相互間で無利子の金銭貸与等があった場合、実際には贈与であるにもかかわらず、貸借に仮装して贈与税の課税回避を図ろうとする例がしばしば見られます。

特殊の関係がある者相互間で金銭の貸与等があった場合において、それが事実上贈与であるにもかかわらず貸与の形式をとっていると、相続税法第9条に規定する利益を受けた場合(みなし贈与)に該当するものとして取り扱われてしまいます(相続税法基本通達9-10)。

たとえば、父から子への金銭の貸与があったとき。その貸与が形式的なものであって、実質的には両者の間で贈与の認識があるような場合には、この「みなし贈与」と認定される危険性があるわけです。

とくに親族間の場合、「後で返すから」などの簡単な口約束でお金の貸し借りをし、その後の返済について考えていないケースも見受けられます。「返す意思」「返してもらう意思」そして「返済の事実」がなければ、税務当局から「贈与」とみなされてしまうので注意しましょう。

(2)贈与と認定されないためには

では、「贈与」と認定されないためにはどうすればよいでしょうか。

まずは、借用書等を作成し、返済期間、返済方法等の返済条件をあらかじめ定めておくことが必要です。返済条件については、とくに以下の点に注意が必要です。

(1) 返済額は借主の収入状況等から無理のない範囲で設定すること

契約通りに毎月返済したとき、全く生活費が残らないような状況では問題です。毎月の収支の状況から考えて、常識的な生活費が残る程度の返済金額を設定するようにしましょう。

(2) 返済期間については貸主の年齢も考慮すること

たとえば、90歳の祖父から返済期間を30年としてお金を借りた場合。祖父の年齢を考えると、完済は現実的ではありません。そうなると最初から返す意思、回収する意思がお互いになかったとみなされる危険性があります。

また、借りた後は、借用書等で定めた契約内容通りに返済してください。借用書等を作成して体裁だけ整えても、返済の事実がなければ、返す意思がなかったとみなされてしまいます。

なお、返済をする際には、返済の事実を証拠として残すために、お互いの銀行口座等を通して返済することが望ましいでしょう。

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最終更新:5/23(木) 8:42
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