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「晴海フラッグ」は本当に買いか?5つのリスクと正しい選び方

5/23(木) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

● 東京五輪の選手宿舎が販売開始 なぜ「買いづらい」のか

 2020年の東京五輪・パラリンピックの選手宿舎「晴海フラッグ」(HARUMI FLAG)の販売が始まった。特定のエリアにおける未曾有の民間大量分譲なので、市場に与えるインパクトは史上最大級になる。以前、当連載でも「『お買い得マンション』が五輪後にかつてないほど増えそうな理由」というタイトルで、この物件について説明した。

 その論旨は、誰もが購入可能性がある「払い下げのお買い得マンション」が大量に出てくる可能性が大きいというものだった。しかし、発表された内容はかなり違う話になってきている。これから述べるのはその後日談である。

 販売開始早々、メディアから数々の取材依頼がある。大量供給ということは事業予算がある。だから、広告費も未曾有の金額になる。予算があるから集客はできるので、来場者や予約者だけで数万人になることは時間の問題だ。この物件の最大の特徴は、日本人のすべてが知っている有名な物件であることだ。しかし、その評判は両刃の剣でもある。

 なぜなら、買いづらい理由がいくつもあるからだ。その理由は次の通りである。

 (1)交通アクセスが悪い
(2)価格が高い
(3)入居までが長い
(4)立地が悪い
(5)特徴がない

 順番に見ていこう。

● 晴海フラッグが 買いづらい5つの理由

 (1)交通アクセスが悪い

 これは駅からの所要時間である。勝どき駅まで20分前後かかる。中央区とはいえ、「陸の孤島」感が否めない。

 このエリアでは、環状2号線の全線開通に合わせてBRT(bus rapid transit/バス高速輸送システム)を運行し、都心と湾岸エリアのアクセスを改善させることを目指している。晴海地区には鉄道が通っていないので、BRTが予定通り運行されるかどうかは都心への通勤利便性を大きく左右する。

 つまり、これによって分譲価格と賃料水準が決定されるといっても過言ではない。しかし、便数・輸送力とも不十分な水準しかない。鉄道でないだけに、これ以上本数を減らされでもしたら、本当に陸の孤島になってしまう。

 (2)価格が高い

 筆者が以前、「割安で出てくる可能性がある」と述べた根拠は、仕入れた土地価格についてだった。これについては、五輪選手村用地を「不当に安く売却」したとして周辺住民らが提訴している。

 都の販売価格は平方メートル単価約10万円だ。これに対して、周辺の路線価は平方メートル単価75万円で、最も近い地価調査ポイントは99万円なので、実勢は100万円を超える。つまり、市価の10分の一で払い下げたに近い。

 この時点で分譲価格が2000万円以上安いことになる。しかし、仕入れ原価に対して販売価格には縛りがない。売り主が利益を取りたければ高く設定することは可能で、今回入手した平均価格は8300万円だった。十分過ぎる利益を出していることは想像に難くない。

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最終更新:5/23(木) 10:40
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