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V字回復したマックの決算書が示す「しんどい時」の種まき

5/23(木) 18:00配信

日経ビジネス

 日本マクドナルドホールディングス (以下、マクドナルド)の業績の回復が急ピッチです。2018年12月期決算を見ると、売上高は前期比7.3%増の2722億円、営業利益は前期比32.4%増の250億4500万円。その前年である2017年12月期の営業利益もその前の期に比べて172.9%の増加ですから、急激に業績を回復していると言ってよいでしょう。また、営業利益率は9.2%と高く、これも前年の7.5%から改善しています。

記事内で言及している各決算書はこちらから「元記事へ」でどうぞ【2015年の損益計算書】

 マクドナルドは、2014年12月期には67億円の営業赤字、15年には252億円の営業赤字を計上していました。売上高も2014年が前期比▲14.6%の2223億円、2015年が1894億円と惨たんたる状況でした。これは、中国・上海で起きたマクドナルドには非のない使用期限切れ鶏肉問題に加え、異物混入問題への対応の不備などが原因です。

 その後、マクドナルドは店舗や商品のリニューアルに積極的に取り組み、業績を急速に回復させました。筆者は、その要因は、しんどい時期の種まきにあったと考えています。そのあたりが財務諸表から読み取れるのです。しんどい時期の財務諸表と現在の財務諸表を見比べながら、マクドナルドの改善ぶりを解説していきましょう。

●営業赤字に陥るなか短期50億、長期180億円の資金を調達

 まず、2015年の損益計算書をご覧ください。売上高は先ほど述べたように1894億円です。直営店舗の売上高とフランチャイズ店からの収入がそれぞれ載っています。2014年の決算と比較すると、いずれも大幅ダウン。やはり、「事件」が起こると客離れが深刻になります。

 2015年の損益計算書で注意して見なければならないのは、売上原価です。売上原価の数字は、売上高とほぼ同じですね。つまり、商品を店舗で販売している時点で、ほとんど利益が出ていなかったということです。とても厳しい状況でした。そこに販管費が上乗せされますから、営業損益は252億円という大幅な赤字に陥ったのです。

 さらに、特別損失の項目を見ると、2014年には「上海福喜問題関連損失」が計上されています。2015年には、店舗などが想定した利益を生まない場合に計上する「減損損失」が計上され、最終的な利益を表す当期純利益(損失)は347億と大きな損失となりました。

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最終更新:5/23(木) 18:00
日経ビジネス

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