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生身を捨てれば人は1万年生きる

5/23(木) 5:00配信

日経ビジネス

 「AI(人工知能)とは何か」。それを突き詰めれば「人間とは何か」という命題に突き当たる。大阪大学の石黒浩教授は、自身にそっくりのロボットを開発するなどして、人間の定義を探し求めている。そんな異色のロボット研究者に聞いてみた。「AIって何ですか」

石黒氏にそっくりのロボット(写真:大阪大学)

(聞き手は吉野次郎)

――米国の実業家イーロン・マスク氏などはこのまま技術が進歩すれば、いずれAIは人類の脅威になると警鐘を鳴らしています

石黒浩・大阪大学大学院教授(以下、石黒):「知能」の定義が定まっていないのに、語頭に「人工」を付けても意味がありません。知能が何かが分かっていないうちは、人工知能(AI)は存在し得ません。単に「コンピューター」と表現した方がいいでしょう。

――コンピューターは人類の脅威になるでしょうか。

石黒:コンピューターは人間そのものかもしれませんよ。あなただってスマートフォンを使ってますよね。

――はい。

石黒:脳活動の一部をスマホにゆだねているのだから、スマホは人間の一部だと言えるのではないですか。義手や義足だって人間の一部ですよね。10万年ぐらいしたら、コンピューターの脳を持つロボットが人間になっていてもおかしくありません。

――人間がいなくなり、ロボットだけの社会になる、と。

石黒:いやいや、ロボットが人間そのものになっているかもしれないと言っているのです。何で生身じゃないと人間ではないと言えるのですか。

――私は生身であってほしいと思っていますが。

石黒:いやそうじゃなくて、生身じゃないと人間じゃないんですか、と聞いているのです。

――人間がロボットに進化しても、一部でも生身の部分が残っていてほしいと思います。

石黒:そこはどの部位なのですか。

――意識をつかさどる部分、脳の中核部分でしょうか。

石黒:意識をつかさどる部分が脳内になかったらどうしますか。

――それは困ります。

石黒:困ることは何もなくて、脳内に意識を担う部分がなかったとしても、人間は人間なのです。

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最終更新:5/23(木) 5:00
日経ビジネス

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