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オリックス・稲富宏樹 強肩が売りの育成捕手/ファーム

5/24(金) 11:02配信

週刊ベースボールONLINE

 出番のなかったウエスタンの試合後、稲富宏樹はグラウンドでコーチとマンツーマンで捕球練習を繰り返していた。

「今年は後ろに逸らすシーンが昨年の同じ時期に比べて明らかに多いんです。自分がきちっとした形で入らないと……。今のままではまだまだです」

 そう口にした20歳の表情には危機感が漂う。
 
 ルーキーだった昨季は、オフに台湾で開催されたウインター・リーグのメンバーにも選出されて海を越えて野球を勉強。育成選手ながら一軍秋季キャンプにも抜てきされ、両手で抱えきれないほどの経験を積んで1年を締めくくった。

 だが、シーズンの数字を見ると打率は.148、1打点。14試合でマスクを被ったが「打撃でまったくいいところがなかった」と唇をかむ。

 原因はタイミングの取り方。ティー打撃から足の上げ方、合わせ方を細かく変えながら模索している最中だ。キャッチングも勉強の日々だが、打つほうにもこだわりを持つ。

「“打てるキャッチャー”には、やっぱりあこがれます。守備も打撃も、同じくらい全力でやりたいです」

 昨オフに偶然、室内練習場で居合わせたチームの先輩・若月健矢から練習でも投げ続けることの大切さを教わった。

「若月さんは1日100球くらい、いろんな距離をほぼ全力で投げ抜いていたんです。『投げていかないと投げる強さは身につかないよ』と言われて、自分も隣で投げていたんですけれど、正直、結構キツかった。でも、若月さんの動きを見て、自分に何が必要なのかを教えられました」

 育成からはい上がり、第一線で活躍するソフトバンクの正捕手・甲斐拓也の姿は何よりの大きな目標だ。

 だが、そこにたどり着くまでの道のりはまだ長い。

「毎日やることが多過ぎますが、一つひとつ課題を確実にクリアしていきたい。そのための今だと思っています」

 もがきながらも踏ん張ったその先に、悲願の支配下登録、そして一軍への扉が待っている。

文=沢井 史 写真=BBM

週刊ベースボール

最終更新:6/15(土) 19:55
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