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ティモ・ヴェルナー。「守備」と「眼」で仕掛ける神速ストライカー

5/24(金) 12:06配信

footballista

 逆に速攻同様、彼自身がスペースを突く役目も果たす。RBライプツィヒでの相棒ポウルセンは、高さと速さを兼ね備えた万能型ストライカーだ。彼は、ヴェルナーには難しい空中戦からのボールキープを得意としている。ポウルセンが競り合ったDFの背後を突く動き、空中戦の落としを受ける動きはパターン化されており、チームの大きな武器となっている。阿吽の呼吸とも言うべきこの2人の関係はまさに2トップの理想形である。

課題

 そんな彼の課題は、何と言ってもシュート精度である。コンスタントに2桁得点を続けているヴェルナーだが、決定機を逸するシーンは決して少なくない。

 かつてヴェルナーも在籍したアレクサンダー・ツォルニガー時代のシュツットガルトや、ロジャー・シュミットが率いた当時のレバークーゼンのように、プレッシングと速攻をメインとするチームが決定力不足に泣くケースは多々ある。守備に速攻、スペースメイクに侵入役と様々な形でチームに貢献するヴェルナーだが、個人として、チームとしてさらなる高みを目指すのであればシュート精度の向上は避けて通れない。

 そしてもう一点、アグエロのような個人の駆け引きをベースとした裏への飛び出しが少ないという点だ。

 ヴェルナーは敵の背後に抜ける際、スペースの広がっている状態でなければゴールを陥れることができない。ビルドアップで前進した敵のDFの背後に入る、ポウルセンが競り合ったDFの背後をとる等、裏に抜けるまでに段階を踏む必要がある。

 サッカーというチームスポーツにおいて、この動きをこなせるのが強みであることは間違いない。ただ、さらに上に行くには世界屈指のストライカーであるアグエロのように、何のフラグや過程もない状態から突如として敵の背後に入り込みゴールをさらう、理不尽なまでの駆け引きの技術を身につける必要がある。最前線、ボックス周辺での、純粋なストライカーとしての動きには改善の余地がある。

 守備と眼、スピードを武器にビッククラブからも注目される存在となったティモ・ヴェルナー。今の彼にシュート精度と最前線での駆け引きの技術が加われば、途轍もない選手に化ける可能性を秘めている。華麗なドリブルも圧倒的な高さも持たない彼が最前線で今後どのような輝きを放つのか、期待したい。

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最終更新:5/24(金) 12:13
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