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U-20日本代表・菅原由勢が吐露した「悔い」。それでも…日本が持ち直した修正力とは?【西部の目/U-20W杯】

5/24(金) 10:51配信

フットボールチャンネル

FIFA U-20ワールドカップ2019が開幕。U-20日本代表対U-20エクアドル代表は、1-1のドローで勝ち点1を分け合った。名古屋グランパスに所属する菅原由勢が試合後、「悔いが残る」と話した理由とは?(取材・文:西部謙司)

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●ロングボールの効果と逆効果

 立ち上がりの5分間は日本がラッシュしてリズムをつかんだが、それ以降はエクアドルが落ち着いてボールを支配した。前半終了直前に事故的なオウンゴールで失点。0-1でハーフタイムを迎える。エクアドルにとっては「いい時間帯」でのゴールに違いない。

 最初の決定機は日本だった。すでに押されていた20分、菅原由勢から斜めのパスが出る。エクアドルのDFがボールに対して行きすぎたところを入れ替わった斉藤光毅がGKと1対1。GKを外したシュートは無人のゴールに入る寸前、ゴールカバーのDFによってクリアされた。これが前半唯一のビッグチャンスだった。

 ある意味、このシーンは同点ゴールの予告編である。エクアドルのCBは何度かロングボール処理にもたつきをみせ、それが山田康太のゴールにもつながっている。ただ、影山雅永監督はCB狙いを事前に指示していたわけではないと記者会見では話していた。

「ボックスの脇、DFの裏を狙うのはチームとしてこれまでもやってきたこと」(伊藤洋輝)

 とくにこの試合でそれが特別な作戦というわけではなかったようだ。ただ、菅原は「CBがボールより人へ食いつくという分析はあった」という。

「分析を頭に入れすぎて、結果的に前半はロングボールが多くなってしまった」(菅原)

 後半もロングボールは使っていて、そのたびにエクアドルのCBの対応は怪しかった。しかし、後半について菅原は「裏もバイタルも使えていた」と話している。ロングボールの効果はあった。ただし、それだけではなかったということだ。

●見るものを増やす

「前半から集中はできていた。けれども、集中しすぎて見えるものが少なくなってしまった」(菅原)

 チームの狙いの1つである「ボックス脇」。「CBが人に食いつく」という分析。そこへフォーカスしすぎたのは、むしろ反省点だというのだ。相手の弱点をついて同点にできたので、作戦成功という感想かと思ったら違っていた。

「見るものを増やさなければいけなかった」(菅原)

 前半にゲームを支配された要因は1つではないが、全体に判断の硬さはあった。緊張しているというより、一点に集中しすぎていた。メンタルよりも目の使い方の問題といえる。サッカーではよくこういうことが起きる。

 1つ有利な情報が入ると、それが有効だからこそ選択肢が1つになってしまうのだ。本来、情報は選択肢の1つでしかない。選択肢を狭めてしまうと自分の判断がなくなり、自分のプレーではなくなってしまう。本末転倒というやつだ。

 エクアドルも最初は硬かった。変わったのは10分を経過したあたりである。DFでボールをキープして、日本がプレスを強めてくるエリアの手前で様子をみていた。相手の出方を自分の目で探る、南米のチームがよくやる試合の進め方だった。

 ようやく日本がリズムをつかんだのは、後半15分から。その前にはエクアドルのPKをGK若原智哉がストップしている。決められて0-2になっていたら追い付けなかっただろう。エクアドルが早く流れをつかんでいたぶん、日本が負けていておかしくない試合だった。

●教訓と修正力

 劣勢のときに我慢強く守れた。それが巻き返しと同点ゴールにつながった。菅原もぎりぎりのところで体を張って止めていた。いや、ぎりぎりよりも少しは余裕があったかもしれない。きれいなスライディングタックルで止めていた。

「やっぱり南米だなとは思いましたが、思ったよりやりにくさはなかった」(菅原)

 後半の途中から日本のペースになっただけに、菅原は「前半は悔いが残る」と振り返る。影山監督は「(前半は)いつもやっていることを放棄してしまった」と話していた。

「ゲームが始まれば、選手がどう考えるか」(菅原)

 エクアドルも日本の情報は持っていたと思う。しかし、様子見の時間帯を作って自分たちで考えはじめたのはエクアドルが先だった。彼らがより多くのものを見ようとしていたとき、日本は自ら見なくなっていた。だから、危なかった。しかし、そこから持ち直して1ポイントをとれたのは悪くない。このチームは修正する力がある。教訓も次への糧にできるのではないか。

(取材・文:西部謙司)

【了】

最終更新:5/24(金) 10:51
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