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史上最大のライオン復活作戦、一挙に24頭を移動、結果は?

5/24(金) 7:11配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

モザンビークの野生ライオンとスピリット・ライオン 後編

 1977年から1992年まで続いた内戦のせいで、ライオンが激減してしまったアフリカ、モザンビーク中央部。そのため2018年、保護活動家、土地所有者、篤志家、モザンビーク政府らは、ライオンが暮らせる土地を増やす計画を打ち出し、南アフリカから健康な個体24頭を選んで、モザンビーク中央部に再び配置することを決めた。

ギャラリー:史上最大のライオン復活作戦、一挙に24頭を移動、モザンビーク 写真20点

 全部で24頭もの野生ライオンを遠隔地に移動するのは、同種のプロジェクトとしては史上最大の規模となる。

「多くの人に、それほどの数を移動させるのは不可能だと言われました」と語るのは、保護活動家で狩猟家、そしてTVパーソナリティのイバン・カーター氏だ。健康なライオンを24頭も見つけて輸送するのは、安くも簡単でもなく、また、解放したライオンを追跡するのも非常に困難だ。「それでも、否定論者の言うことを聞いていたら、何もできませんから」とカーター氏は言う。

 24頭のライオンの扱いが難しいことは、カーター氏も認めている。「しかし、24頭いれば成功の確率が上がります。18頭の雌と6頭の雄をあの広大なエリアに放てば、ごく自然に暮らしていく中で数頭失われても大丈夫なくらいの余裕ができます」

 遺伝子をできる限り多様に保つために、ライオンは南アフリカ各地の保護区から選ばれた。いったんクワズール・ナタール州のムクゼ動物保護区に集められ、3週間かけて医療検査が行われた。その後、ライオンたちに鎮静剤が与えられてから、2機の自家用機でモザンビークへと運ばれた。

 2018年8月5日、マロメウ動物保護区の埃っぽい滑走路には、大勢の人が集まり、貴重な荷物を乗せた飛行機の着陸を見守った。地元の村人の多くはライオンを見たことがなく、ライオンが飛行機から降ろされる間、人々からは恐怖と興奮のつぶやきがもれた。そしてライオンが仮の囲いの中に入れられた瞬間から、儀式が開始された。

「わたしたちは祖先(スピリット・ライオン)にライオンを紹介するための儀式を行いました」。ライオンが到着した日のことについて、長のトゾ氏はそう語る。供物として、長はプラスチックのコップに入れたコーラやビール、タバコをスピリット・ライオンに捧げた。精霊が不満に思えば、新しいライオンたちは殺されてしまうだろうと、トゾ氏は言った。もしライオンたちが受け入れられれば、「わたしたちはスピリット・ライオンに、村を守り、ライオンがだれかに噛み付いたりしないようにしてほしいと願います」

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