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形が奇妙すぎる謎の金塊、130年ぶりに結晶構造が明らかに

5/24(金) 18:14配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

雄羊の角に似た自然金「ラムズホーン」、ごく少数の結晶体で合金だった

 1887年、米コロラド州の金の生産がピークに達しようとしていた頃のこと。ギルマン近郊のグラウンド・ホグ鉱山で、予期せぬ宝物が見つかった。3本のひもを束ねたような形をした金塊だ。長さは12センチで、重さは263グラム。これまでに発見された自然金のなかで、最も奇妙な形をしたもののひとつである。

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「本当にユニークです。これに匹敵するものなど思いつきません」と、米オハイオ州マイアミ大学の鉱物学者ジョン・ラコバン氏は言う。しかし、科学にとっては、めずらしさが仇になった。貴重な現物を切ったり傷つけたりしてまで調べたいと思う科学者はいなかったのだ。そのため、「ラムズホーン(雄羊の角)」として知られるこの金塊は、1世紀以上にわたって美しい謎であり続けた。

 科学者たちは今回、米ロスアラモス国立研究所にある全長800メートルの粒子加速器の力を借りて、ラムズホーンの結晶構造を初めて見ることに成功した。その結果、金のひもを数十本束ねたように見えるラムズホーンが、実際には、1つの巨大な結晶か、あるいはごく少数の結晶が同時に成長したものであることが明らかになった。

 今回の研究成果はまだ査読付きの学術誌には掲載されていないが、同研究所は2月13日に結果を報告し、すでに地質学者たちを沸き立たせている。現在ラムズホーンを所蔵する米ハーバード大学鉱物学・地質学博物館の学芸員ラケル・アロンソ=ペレス氏は、今回の研究成果が、より効率的な採掘技術の開発や金の新しい使い方など、幅広い分野で役立つ可能性があるという。

「すばらしい研究です。今後、さらなる発見があるのは確実でしょう」。グラウンド・ホグ鉱山から出た別のひも状の自然金の標本を所蔵している米デンバー自然科学博物館の学芸員ジェームズ・ハガドーン氏は話す。「私たちも、所蔵する標本について同様の調査をしようと考えていました」

 同じくひも状の自然金を収蔵している米ロサンゼルス自然史博物館の鉱物科学部門の学芸員アーロン・セレスティアン氏も、「まったく新しい、ワクワクするような研究です」と言う。

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