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「ゲーム・オブ・スローンズ」のドラゴンが地球上に実在したら? 環境への影響を計算した論文の中身

5/24(金) 18:11配信

WIRED.jp

「ゲーム・オブ・スローンズ」の大ファンではなかったが…

3人は昨年開かれた別の数学大会で数学的モデリングの面白さにとりつかれ、学校でクラブ活動を始めた。別のメンバーと組んでいくつかの大会に参加したあと、最終的にMCMに挑むために、いわばスーパーチームが結成されたのだ。

はじめに断っておくと、チームの誰も特に「ゲーム・オブ・スローンズ」の大ファンというわけではない。それでも課題Aを選んだのは、緊急物資の空輸や薬物依存症の拡大といった複雑な事象に取り組むよりは簡単だろうという判断からだった(ちなみに、ドリスコルの意見では、課題Bか課題Cにすると「どのようなやり方をしても極端なまでに複雑な計算に直面することになる」という)。

また、チョウはファンタジー作家ブランドン・サンダースンの『嵐光録』シリーズを読み終わったばかりで、次は「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作であるジョージ・R・R・マーティンの『七王国の玉座』を読もうと考えていた。すでに学校の図書館で予約済みで、ある意味では準備ができていたとも言えるだろう。

チョウは「モデル化で大変なのはデータを探すことなんです」と話す。「わたしはファンタジー作品のWikiページを読むのが大好きで、今回の課題でもWikipediaをたくさん使いました」

見えてきたドラゴンのカロリー消費量

チョウがネットで、エイゴン・ターガリエンがハレンの居城を焼き尽くすために使ったバレリオンという名のドラゴンについて読み漁っている間に、コロドナーとシァは、モデル化する際にドラゴンの代わりになる実在の動物を見つけ出そうとした。渡り鳥のように定期的に移動する習性や体の大きさといった観点から、ドラゴンに近そうな生き物を考えるのだ。翼竜のプテロサウルスや、インドネシアに生息するコモドオオトカゲなどが候補に上がった。

3人はスキー旅行や友達の誘いを断って、チョウの家で週末合宿を行なった。月曜日も学校は休んで、なんとか締め切りまでに課題を終わらせたという。

23ページに及ぶ論文は、ドラゴンのカロリー消費量(1日100万カロリーを超えるそうだ)や、どのくらいの速度で成長するかといった計算から始まる。成長率については、シグモイド関数ではなくフォン・ベルタランフィの成長曲線を採用した理由も説明されている(ここが特別に重要ということではなく、数学者の皆さんには申し訳ないのだが、単純に名前が面白かったのでちょっと書かせてもらった)。

チームは次に、ドラゴンが生態系を破壊せずにその旺盛な食欲を満たすには、どの程度の広さの土地が必要なのかを割り出した。結論は、サヴァンナなら292.5平方マイル(758平方キロメートル)、ツンドラ(つまり「壁の向こう」)なら7,108平方マイル(18,410平方キロメートル)というものだ。

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最終更新:5/24(金) 18:11
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