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約束まであと5分でも焦りなし......遅刻魔の正体とは?

5/24(金) 17:21配信

フィガロジャポン

怒りや悲しみは時間感覚を狂わせる。

「エクササイズをこなしてスポーツジムから出てくるたびに、山だって動かせるような気がして、気が大きくなってしまうの」と44歳のグラフィックデザイナー、ソフィーは笑う。「だから友達から電話がきて、レストランでご飯を食べようと誘われたら、もちろん自動的に“ウィ”と言ってしまう。たとえ犬の散歩をしてシャワーを浴びて、服を着替えて車で駆けつけるまでに、あと1時間もないとしてもね」。ドロワ=ヴォレ教授によれば、感情は時間の感覚に歪みを生じさせるという。「興奮、怒り、あるいはストレスも、時間の感覚を加速させます。反対に、悲しみや抑うつはすべてを失速させるのです」

極端な場合、遅刻は苦痛に対する無意識のリアクションにもなりうる。とくに燃え尽きた状態の人にとっては。「燃え尽き症候群の場合、仕事に行きたくないわけですから、無意識のうちに出社を避ける戦略を取るものです。たとえば、自宅でやりきれないほどの用事を作って会社に遅れていく、といったような具合です」

相手の許容範囲を見計らう。

遅刻魔だけが悪者というわけではない。「遅刻する側には、相手の反応や遅刻によって引き起こされる結果が影響しています」。上司が時間に緩く、従業員に注意を促さなければ、遅刻者に対する社会的プレッシャーは弱まってしまう。

社会的プレッシャーは、職場を離れると弱まるものだ。前述のソフィーは、友人との待ち合わせにいつも遅刻していると自覚している。だが、「罪の意識は感じない」とも言う。教授は説明する。「遅刻魔は急ごうと決意する前に、待たせる相手が許してくれる範囲を予測しています」。現実には、この予測は相手が仲のいい友人の場合にはポジティブに働き、相手が大嫌いな義理の母ならネガティブに働くことになる。「後者の場合、無意識あるいは意識的に、遅刻は義理の母を避けることにつながっています」

産業化社会の犠牲者?

友情があろうがなかろうが、限度を超えれば、遅刻常習者は遅かれ早かれ見放されてしまう。「産業化社会は時間に枠を作り、時間を共同管理する必要を生み出しました」と教授は分析する。「時間を守ることは他者を尊重すること。同じ動きに従わなければ、調和が乱れてしまいます」

教授の考えによれば、これは個人差を考慮しない不公平なシステム。「慢性的な遅刻者というものは存在しません。遅刻魔はたしかに普通の人よりも時間の管理が下手ですが、それよりも住まいの場所、使用する交通機関、家族の状況や睡眠のトラブルといった、外的要因に左右されていることが多いのです」

2001年以降、フランスではいくつもの地方自治体が、「時間事務所」を開設し、地方行政が時間の問題を組み込もうとしている。たとえば、企業の従業員にテレワークのような新しい働き方や時差通勤を奨励するといった具合に。だがそういった取り組みが成果を挙げるまでは、「なんとか社会に自分を合わせるように」とドロワ=ヴォレ教授は遅刻魔に助言している。「自分の行動を意識し、待つ相手の立場に立つこと。そして必要なら、アラームという道具を使うことです」

texte:Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr)

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最終更新:5/24(金) 17:21
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