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audioquest、ペア832万円のスピーカーケーブル「Dragon」。導体構造を刷新、高/低域用を別設計

5/24(金) 12:53配信

PHILE WEB

ディーアンドエムホールディングスは、同社が輸入する米ケーブルブランド audioquest(オーディオクエスト)の新製品として、2シリーズ 5モデルのスピーカーケーブルを5月下旬から発売する。最上位「Dragon」はバイワイヤモデルで価格がペア832万円と、破格のハイエンドモデルも用意された。

ペア832万円の「Dragon」

今回発売されるのは、オーディオクエストのスピーカーケーブル最上位となる「Mythical Creature」シリーズと、それに次ぐ「Folk Hero」シリーズ。Mythical Creatureは上から「Dragon」「Fire Bird」「Thunder Bird」の3モデルを用意。Folk Heroは上から「William Tell」「Robin Hood」の2モデルを用意する。

今回発表される5製品共に、フルレンジ・高域用ケーブル「ZERO」と、低域専用ケーブル「BASS」を用意。この2種のケーブルを組み合わせてのバイワイヤ接続することを想定している。また、2種類のケーブルを1組としたバイワイヤケーブル「ZERO+BASS BiWire」(アンプ側は端子1組にまとめられたブレイクアウトケーブル)もラインナップされる。基本となるケーブル長は3mとなる。

Folk Heroでは、導体に銀(PSC:パーフェクト・サーフェス・シルバー)を用いた「Silver」(フルレンジ・高域用のみ)も用意される。なお、Mythical CreatureシリーズのZERO+BASS BiWireについては、異なるモデルの組合せも用意されている。

■従来シリーズのケーブルから構造を一新

従来もバイワイヤリングモデルはラインナップされていたが、高域用ケーブルと低域用ケーブルを個別に用意するのは今回が初めて。一般には、バイワイヤ接続では高域用/低域用で同じケーブルを使うが、オーディオクエストはそれぞれの伝送特性や音質を検討した上でそれぞれに最適化したケーブルを用意した。なお、ZEROはフルレンジも兼ねているので、後からBASSを追加してバイワイヤ化することも可能だ。ZEROとBASSを1本にまとめた「BiWire Combination」もラインナップされる。

この2つのシリーズでは、オーディオクエストが培ってきた技術を基礎として、スピーカーケーブル設計における厄介な問題だという、アンプ側のソース・インピーダンスとスピーカー側のロードインピーダンスの不一致にフォーカスして開発が行われたとのこと。さらに、家庭のオーディオ再生において問題になるRF(無線周波数)ノイズへの対策もテーマとなった。

同社はMythical CreatureとFolk Heroにおいて、インピーダンスの問題に対して「ZEROテクノロジー」を、RFノイズの問題に対してはGROUNDノイズ消散テクノロジーを用い、それらを解決することでより原音忠実な再生を実現したとする。

ZEROテクノロジーは、ケーブル名が示す通りフルレンジ/高域用ケーブル「ZERO」に用いられた新技術。同社従来の上位スピーカーケーブルでは、+と-の信号線をそれぞれ逆向きに螺旋配置して相互干渉をなくすという手法を用いていたが(従って+と-は近接配置されていた)、今回のケーブル群では、+と-の信号線を完全に分離する設計とした。これにより相互干渉を排除し、さらに+/-の各導体の絶縁体間における特性インピーダンスをなくしたとする。結果、前述のインピーダンスの問題を解決しつつ、RFノイズの低減も可能になったという。

一方で低域用ケーブルのBASS側には、GRAUNDノイズ消散テクノロジーを用いてる。BASSでも+/-は分離されて伝送されるが、-側にのみ、アース用ケーブルが加えられている。例えば-側が8本で構成されているDragonの場合、スピーカー側には8本とも接続されているが、アンプ側は4本のみしか接続されていない。この未接続のアース用ケーブルによってノイズを除去し、変調歪みを低減するという。


■最上位モデルはあえて銀+銅の導体を使用

上述のように同じ基礎技術を備えるMythical CreatureとFolk Heroだが、各モデルの主な差異となっているのは使用する導体だ。

ZEROで比較すると、最上位Dragonとそれに次ぐFire Birdは同社がPSS(パーフェクト・サーフェス・シルバー)と名付ける銀の単線導体に、PSC(パーフェクト・サーフェス・カッパー)と名付けられた銅の単線導体を組み合わせている。Thunder Bird、William Tell、Robin HoodはPSC+のみを用いている。また、各モデルで用いている単線導体の本数が異なっている。

ノイズ低減技術として、同社がこれまでのケーブルにも用いてきた独自の「72v誘導体 バイアスシステム 高周波ノイズトラップ」も搭載する。

またプラグとケーブルを「冷間溶接」で接続することも特徴。これはプラグ側とケーブル側に同一の素材を用い、高圧を加えることで溶接するというほうほうで、半田を用いることなくプラグ・ケーブル間を強固に接続できるとする。

各端子のメッキ処理についても、通常は下処理としてニッケルメッキを施した後に後に金・銀メッキなどを施すが、本モデルでは銅製の端子を純銀のバットに浸して硬化させるという方法でメッキを行っている。

そのほか、プラグ部のケーシングや、BiWire Combinationのブレイクアウトには、硬化プラスチックを採用する。金属を使用せず、あえて非磁性体を用いることで、導体部分にノイズを誘導しないよう配慮した。

内覧会では、DragonとThunder Birdを用いた比較試聴もマランツ試聴室で実施された。また、ディーアンドエムのブランドアンバサダーである澤田龍一氏が各モデルについての説明も行った。

マランツ試聴室のリファレンスケーブルであるオーディオクエストの従来モデル「Castle Rock」、「Thunder Bird ZERO」、「Thunder Bird ZERO+BASS BiWire」(バイワイヤ)、「Dragon ZERO+BASS BiWire」(バイワイヤ)を比較。今回の新製品の特徴であるバイワイヤの効果もアピールする内容だ。スピーカーにはB&W「800 D3」が組み合わせられた。

澤田氏は新シリーズの特徴について「オーディオクエストの創始者であるビル・ロウが手がけてきたケーブルは、ピュアでディティールに富んでいて、同時に、どちらかというとストイックでスリムな音だった。しかし、近年ではチーフエンジニアのガース・パウエルが製品作りに携わるようになり、ストイックさを保ちつつ、ボディ感もしっかり出してきている」とその特徴を説明していた。

また、上位モデルのDoragonとFire Birdについては「かつてのトップエンドのケーブルは銀線だったが、今回はあえて銅線を組み合わせている。これは純度ばかりではなくサウンドバランスも考えているということ。ビル・ロウの時代とはまたことなる安定感を備えている。純度が高くストイックだが、下半身がよりしっかりしている」とも話していた。

編集部:小澤貴信

最終更新:5/24(金) 12:53
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