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「きのう何食べた?」見逃し再生100万回で視聴率至上主義の終焉

5/24(金) 11:12配信

FRIDAY

テレビ東京系で放送されている深夜ドラマ『きのう何食べた?』の見逃し配信が、同局の無料動画配信サービス『ネットもテレ東』で5週連続100万回再生を記録した。

ゴールデン帯でも主演を張れる西島秀俊(48)&内野聖陽(50)という豪華キャストに加え、原作マンガのファンが「キャストが神憑(かみがか)っている」と絶賛するほど、原作に忠実に実写化していることも高評価につながっている。

「西島と内野がゲイカップルだという設定に加え、毎回、うまそうな食事が出る“食テロ“要素も人気の秘訣。最近では第5話で、内野演じるケンジが『サッポロ一番』のみそ味を使った特製ラーメンを作ると、SNSを中心に大きな話題となりました。翌日、みそ味が売り切れる店もあったそうです。昨年、社会現象となった『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)も劇中で登場した『ニトリ』のマグカップが売り切れましたが、同じような視聴者の熱量を感じますね」(テレビ誌記者)

長い間、テレビ業界では視聴率が番組の成否を判断する唯一の指標だったが、その信頼度が揺らぎつつある。『きのう~』も『おっさんず~』も視聴率的には一ケタなのだ。

’15年に在京民放キー局5局が共同で立ち上げた『TVer(ティーバー)』などの見逃し配信サービスが定着。放送後に録画で視聴した人がどれだけいるかを示す『タイムシフト視聴率』が発表されるようになったことで「業界内でも視聴率至上主義から変化が起こりつつある」と芸能プロダクション幹部は語る。

「テレビ朝日系の深夜ドラマ『東京独身男子』も視聴率は一ケタですが、初回の見逃し配信は111万回再生超えを記録しています。『きのう~』と『東京~』両作に共通しているのは、役者や所属事務所がゴールデンなどの枠やギャラより、作品の面白さを優先しているということ。最近は『月9』や『日曜劇場』のようなブランド枠でさえ、視聴率が取れる保証はない。それでいて、数字が悪ければ主演俳優が戦犯扱いされ、“数字の取れない俳優““オワコン“のレッテルを貼られることも少なくない。その点、テレ東のドラマや深夜ドラマなら、視聴率が低くても叩かれることはない。ギャラが安い分、数字を気にしなくていいし、自由度も高い」

事実、いま、俳優陣から熱い支持を受けているのが、昨年春にテレ東系でスタートした骨太経済ドラマ枠『ドラマBiz』なのだと、前出の芸能プロ幹部は言う。

「すでに江口洋介、仲村トオル、唐沢寿明ら一流どころが出演。現在放送中の『スパイラル~町工場の奇跡~』では玉木宏が主演を務めています。女性ウケしそうにない硬派な原作を選ぶから、大企業の社長らにもファンが多い。CM出演につながるケースも出てきているので、ギャラ以上に魅力がありますね」

菅田将暉(すだまさき)主演の『3年A組』(日本テレビ系)など学園ドラマの増加も、スポンサー受けを気にしての傾向だと言う。

「放送後にCMを流した商品がどれだけ売れたかを示すデータがあるのですが、『視聴率より若者の間でどれだけバズったか?』が大きく影響することがわかっています」(広告代理店関係者)

テレビマンを苦しめた、視聴率至上主義の時代が終わりつつある。


『FRIDAY』2019年5月31日号より

最終更新:5/24(金) 11:19
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